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理由で解く 臨床医学各論

Q0866 整形外科疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題84
問題
「17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。」最も適切な対応はどれか。
選択肢
1 抗菌薬の投与
2 骨腫瘍部の切除
3 下腿筋群のストレッチング
4 スパイク動作の中止
解答
正解4(スパイク動作の中止)
解説
✗ 1. 誤り
抗菌薬の投与
抗菌薬の投与は化膿性骨髄炎(細菌感染)に対する治療であり、疲労骨折には不要である。本症例は体温正常で感染症の所見がなく、CRP上昇や白血球増多もないため抗菌薬の適応はない。不要な抗菌薬投与は耐性菌のリスクを高めるだけである。
✗ 2. 誤り
骨腫瘍部の切除
骨腫瘍部の切除は類骨骨腫などの骨腫瘍に対する治療であり、疲労骨折には適応がない。本症例は夜間痛がなく腫瘍を示唆する所見に乏しいため、骨腫瘍としての外科的治療は不適切である。
✗ 3. 誤り
下腿筋群のストレッチング
下腿筋群のストレッチングは回復期のリハビリテーションや再発予防としては有用であるが、疲労骨折の急性期における最も適切な対応ではない。急性期にはまず原因となる運動の中止(安静)が最優先であり、ストレッチングは骨癒合後に段階的に導入する。
✓ 4. 正しい
スパイク動作の中止
疲労骨折の最も適切な対応は原因となるスパイク動作の中止(安静)である。疲労骨折は反復するストレスによって生じるため、原因動作を中止して患部を安静にすることが治療の基本となる。通常6〜8週間の安静で骨癒合が得られ、ギプス固定は通常不要である。水泳や自転車エルゴメーターなど患部に負荷をかけない代替運動は可能であり、体力維持に活用できる。
ポイント
  • 疲労骨折の治療は原因となる運動活動の中止(安静)が最も重要であり、通常6〜8週間で骨癒合が得られる
  • ギプス固定は通常不要であり、代替運動(水泳・自転車等)による体力維持が推奨される
  • 急性期にはストレッチングより安静が優先され、ストレッチングは回復期に段階的に導入する
  • 重要用語: 疲労骨折、運動中止、安静、骨癒合、代替運動 を正確に理解しておくこと。
比較表
対応 疲労骨折での適否 理由
原因動作の中止(安静) 最適 反復ストレスの除去が治療の基本
ストレッチング 回復期に有用 急性期には安静が優先
抗菌薬投与 不適 感染症ではなく適応なし
骨腫瘍切除 不適 骨腫瘍ではなく手術不要
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題84|「17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。」最も適切な対応はどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題84|「17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。」最も適切な対応はどれか。
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