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理由で解く 臨床医学各論

Q0865 整形外科疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題83
問題
「17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。」疾患として最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 類骨骨腫
2 疲労骨折
3 化膿性骨髄炎
4 シンスプリント
解答
正解2(疲労骨折)
解説
✗ 1. 誤り
類骨骨腫
類骨骨腫は良性骨腫瘍であり、夜間痛が特徴的である。NSAIDs(特にアスピリン)で夜間痛が劇的に軽快することが診断の手がかりとなる。 本症例では「安静時および夜間の痛みはない」と明記されており、類骨骨腫の典型的な症状とは合致しない。画像ではnidus(腫瘍巣)と周囲の骨硬化像が特徴的である。
✓ 2. 正しい
疲労骨折
本症例は疲労骨折として最も矛盾がない。17歳のバレーボール選手でスパイク練習量の増加(反復性ストレス)、脛骨中央部の痛みと腫脹、著明な圧痛、エックス線で骨皮質の肥厚という所見は、脛骨の疲労骨折の典型的な臨床像である。 疲労骨折は正常な骨に反復する力学的ストレスが加わることで生じる微小骨折であり、スポーツ選手に好発する。体温正常で安静時痛がないことも疲労骨折に合致する。初期にはX線で異常を認めないこともあり、その場合はMRIや骨シンチグラフィが診断に有用である。
✗ 3. 誤り
化膿性骨髄炎
化膿性骨髄炎は細菌感染(黄色ブドウ球菌が最多)による骨の感染症であり、発熱・局所の発赤・腫脹が特徴的である。 本症例では「体温は正常」であり、化膿性骨髄炎は考えにくい。化膿性骨髄炎ではCRP上昇や白血球増多、赤沈亢進など炎症所見が顕著にみられる。
✗ 4. 誤り
シンスプリント
シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は鑑別として考慮されるが、エックス線で「骨皮質の肥厚」が認められている点が疲労骨折をより強く示唆する。 シンスプリントは脛骨内側の下1/3の骨膜の炎症であり、エックス線では通常異常所見を示さないか、軽微な骨膜反応にとどまる。また、シンスプリントの圧痛は脛骨内側の広範囲に及ぶのに対し、疲労骨折では限局した圧痛を認める点でも鑑別できる。
ポイント
  • 疲労骨折はスポーツ選手に好発し、反復ストレスにより正常骨に微小骨折が生じる。脛骨中央部は好発部位である
  • エックス線での骨皮質肥厚は疲労骨折の修復過程を反映する特徴的所見であり、シンスプリントとの重要な鑑別点となる
  • 類骨骨腫は「夜間痛+NSAIDsで軽快」、化膿性骨髄炎は「発熱+炎症所見」が鑑別のキーワードである
  • 重要用語: 疲労骨折, 反復ストレス, 骨皮質肥厚, シンスプリント, 類骨骨腫 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 特徴的所見 X線所見 発熱
疲労骨折 運動時痛・限局した圧痛 骨皮質肥厚・骨膜反応 なし
シンスプリント 脛骨内側の広範な圧痛 通常異常なし なし
類骨骨腫 夜間痛(NSAIDsで軽快) nidus+周囲骨硬化 なし
化膿性骨髄炎 局所発赤・腫脹・安静時痛 骨破壊・骨膜反応 あり
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題83|「17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。」疾患として最も考えられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題83|「17歳の女子バレーボール選手。スパイクの練習量が多くなり、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚。近医で、左脛骨中央に著明な圧痛とエックス線側面像で骨皮質の肥厚を認めた。体温は正常、安静時および夜間の痛みはない。」疾患として最も考えられるのはどれか。
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