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理由で解く 臨床医学各論

Q0861 整形外科疾患

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題52
問題
肘内障について正しいのはどれか。
選択肢
1 肘に腫脹はない。
2 腕尺関節の脱臼である。
3 徒手整復は困難である。
4 反復性に移行しやすい。
解答
正解1(肘に腫脹はない。)
解説
✓ 1. 正しい
肘に腫脹はない。
肘内障では肘に腫脹はみられない。 橈骨頭が輪状靭帯から亜脱臼する疾患であり、外観上の変形や明らかな腫脹は認めない。患児が痛みのため腕を動かさなくなり、前腕回内位で上肢を下垂したまま保持する姿勢で気づかれることが多い。2〜5歳の小児に好発し、手を急に引っ張られた際に前腕が回内されて生じる。
✗ 2. 誤り
腕尺関節の脱臼である。
肘内障は腕尺関節の脱臼ではなく、腕橈関節における橈骨頭の輪状靭帯からの亜脱臼(不完全脱臼)である。 腕尺関節の脱臼は肘関節脱臼であり、肘内障とは全く異なる病態である。肘関節脱臼では著明な腫脹・変形を呈し、成人にもみられる。
✗ 3. 誤り
徒手整復は困難である。
肘内障の徒手整復は非常に容易である。 前腕を回外しながら肘を屈曲する操作で整復でき、整復時にクリック音が触知されると成功である。麻酔は必要とせず、整復後は直ちに泣き止んで腕を使い始める。外来で短時間に完了する処置である。
✗ 4. 誤り
反復性に移行しやすい。
肘内障は5〜6歳を過ぎると輪状靭帯が十分に発達するため、反復性に移行しにくい。 成長とともに輪状靭帯が強靭になり自然に起こらなくなるのが特徴であり、成人で肘内障を繰り返すことはない。ただし幼児期には繰り返すことがあるため、保護者への指導が重要である。
ポイント
  • 肘内障は2〜5歳の小児に好発する橈骨頭の輪状靭帯からの亜脱臼で、腫脹・変形はみられない
  • 徒手整復は回外・屈曲操作で容易であり、麻酔は不要。クリック音が整復成功の指標となる
  • 5〜6歳以降は輪状靭帯の発達により自然に起こらなくなるため、反復性には移行しにくい
  • 重要用語: 肘内障, 橈骨頭亜脱臼, 輪状靭帯, 徒手整復容易 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 肘内障 肘関節脱臼
好発年齢 2〜5歳の小児 全年齢(成人にも好発)
病態 橈骨頭の輪状靭帯からの亜脱臼 腕尺関節の完全脱臼
腫脹 なし 著明にあり
X線所見 異常なし 脱臼像を認める
整復 回外・屈曲操作で容易(麻酔不要) 全身麻酔下で行うこともある
受傷機転 手を引っ張られる 転倒・外傷
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題52|肘内障について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題52|肘内障について正しいのはどれか。
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