学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0845

理由で解く 臨床医学各論

Q0845 整形外科疾患

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題64
問題
過度の動作と傷害の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 腰部前屈 ― 腰部脊椎分離症
2 ジャンプ着地 ― 膝蓋靭帯炎
3 ボールキック ― 膝前十字靭帯損傷
4 バットの素振り ― 手の舟状骨骨折
解答
正解2(ジャンプ着地 ――― 膝蓋靭帯炎)
解説
✗ 1. 誤り
腰部前屈 ― 腰部脊椎分離症
腰部脊椎分離症は腰部の前屈ではなく過伸展(後屈)の反復動作が主な原因である。 発育期の過度の運動による椎弓峡部の疲労骨折であり、第5腰椎に好発する。スポーツ選手での発生は一般人の2〜3倍にのぼり、体操・ウエイトリフティングなど腰の反り返り動作を繰り返す競技で多い。
✓ 2. 正しい
ジャンプ着地 ― 膝蓋靭帯炎
膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)はジャンプ着地の繰り返しにより膝蓋靭帯に過負荷がかかることで生じるスポーツ障害である。 バレーボールやバスケットボールなどの跳躍競技に多く、15〜18歳に好発する。膝蓋骨の下極に自発痛と圧痛があり、大腿四頭筋の伸張性低下や急速な身長増加が誘因となる。膝伸展機構の過負荷により靭帯付着部に微小損傷が蓄積して発症する。
✗ 3. 誤り
ボールキック ― 膝前十字靭帯損傷
膝前十字靭帯損傷はボールキック動作ではなく、急激な方向転換(ピボット動作)やジャンプ着地時の膝外反・回旋で生じやすい。 非接触型の受傷が多く、バスケットボールやサッカーの方向転換時に多い。受傷時に「ポップ音」を自覚することが特徴的である。
✗ 4. 誤り
バットの素振り ― 手の舟状骨骨折
手の舟状骨骨折はバットの素振りではなく、転倒時に手をついた際の手関節の過背屈で生じる。 偽関節になりやすい骨折として知られ、解剖学的嗅ぎタバコ窩の圧痛が特徴的所見である。
ポイント
  • ジャンプ着地の反復により膝蓋靭帯に過負荷がかかり膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)が生じる
  • 腰部脊椎分離症は前屈ではなく「過伸展」の反復が原因であり、第5腰椎に好発する
  • 膝前十字靭帯損傷はピボット動作や着地時の膝外反、舟状骨骨折は転倒時の手のつき方が原因である
  • 重要用語: ジャンパー膝, 脊椎分離症, 前十字靭帯損傷 を正確に理解しておくこと。
比較表
動作 正しい傷害 誤りの組合せ(本問)
腰部過伸展の反復 腰部脊椎分離症 腰部前屈とされている
ジャンプ着地の反復 膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝) 正しい組合せ
ピボット動作・急方向転換 膝前十字靭帯損傷 ボールキックとされている
転倒時の手関節過背屈 舟状骨骨折 バットの素振りとされている
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題64|過度の動作と傷害の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題64|過度の動作と傷害の組合せで正しいのはどれか。
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