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理由で解く 臨床医学各論

Q0842 整形外科疾患

出典:あマ指 第21回(2013) 問題72
問題
「24歳の女性。テニスのサーブ時に、左足関節を内側にひねった。足関節の前外側部の腫脹と疼痛を訴える。」損傷の可能性が最も高いのはどれか。
選択肢
1 アキレス腱
2 三角靱帯
3 前距腓靱帯
4 遠位脛腓靱帯
解答
正解3(前距腓靱帯)
解説
✗ 1. 誤り
アキレス腱
アキレス腱損傷は踵骨後方部の疼痛や陥凹が特徴的であり、足関節の前外側部の腫脹・疼痛とは所見が合致しない。 アキレス腱断裂は30〜50歳代の中年スポーツ愛好家に多く、急な跳躍や踏み込みで生じる。トンプソンテスト(下腿三頭筋を握っても足関節底屈が生じない)が陽性所見となる。
✗ 2. 誤り
三角靱帯
三角靭帯は足関節の内側に位置する強靭な靭帯であり、足関節を内側にひねる(内反する)捻挫では損傷されにくい。 三角靭帯が損傷されるのは足関節の外反捻挫の場合であり、内反捻挫の受傷機転とは反対方向の外力が加わる必要がある。
✓ 3. 正しい
前距腓靱帯
前距腓靭帯は足関節外側靭帯の中で最も損傷されやすい靭帯である。 足関節を内側にひねる内反捻挫では外側の靭帯にストレスが加わり、前距腓靭帯が最も脆弱であるため真っ先に損傷される。前外側部の腫脹と疼痛は前距腓靭帯損傷の典型的所見である。前方引き出しテストで前方不安定性を確認でき、足関節捻挫はスポーツ外傷として最も頻度が高い。
✗ 4. 誤り
遠位脛腓靱帯
遠位脛腓靭帯(前脛腓靭帯)は高位の足関節捻挫で損傷されることがあるが、一般的な内反捻挫では前距腓靭帯損傷の頻度が圧倒的に高い。 遠位脛腓靭帯損傷は回復に時間がかかることが多く、足関節の外旋ストレスで疼痛が誘発される。
ポイント
  • 足関節の内反捻挫では外側の靭帯が損傷され、前距腓靭帯が最も脆弱で最初に損傷される
  • 前外側部の腫脹・疼痛は前距腓靭帯損傷を示唆し、前方引き出しテストで不安定性を確認する
  • 三角靭帯は内側の靭帯であり内反捻挫では損傷されにくい(外反捻挫で損傷される)
  • 重要用語: 前距腓靭帯, 内反捻挫, 前方引き出しテスト を正確に理解しておくこと。
比較表
足関節外側靭帯 損傷頻度 損傷機序
前距腓靭帯 最多(約65%) 内反+底屈
踵腓靭帯 中等度(約20%) 内反
後距腓靭帯 まれ 高度内反
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題72|「24歳の女性。テニスのサーブ時に、左足関節を内側にひねった。足関節の前外側部の腫脹と疼痛を訴える。」損傷の可能性が最も高いのはどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題72|「24歳の女性。テニスのサーブ時に、左足関節を内側にひねった。足関節の前外側部の腫脹と疼痛を訴える。」損傷の可能性が最も高いのはどれか。
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