学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ D. 腸疾患 / Q0170

理由で解く 臨床医学各論

Q0170 消化管疾患

出典:あマ指 第21回(2013) 問題71
問題
クローン病の合併症はどれか。
選択肢
1 陰部潰瘍
2 痔瘻
3 手掌紅斑
4 口腔内色素沈着
解答
正解2(痔瘻)
解説
✗ 1. 誤り
陰部潰瘍
陰部潰瘍はベーチェット病の四大主症状の一つであり、クローン病の合併症ではない。ベーチェット病では男性は陰嚢、女性は大小陰唇に有痛性の潰瘍が出現する。クローン病は消化管の炎症性疾患であり、陰部潰瘍は生じない。
✓ 2. 正しい
痔瘻
クローン病は口腔から肛門まで消化管のあらゆる部位に非連続性(skip lesion)の病変を生じる炎症性腸疾患で、全層性の炎症が特徴である。炎症が腸管壁を貫通するため、肛門病変として痔瘻が高頻度(約30~50%)にみられ、初発症状となることもある。肛門周囲膿瘍も合併する。
✗ 3. 誤り
手掌紅斑
手掌紅斑は肝硬変における高エストロゲン血症による所見であり、クローン病の合併症ではない。母指球・小指球に紅斑が出現し、肝機能低下によるエストロゲン代謝障害が原因である。
✗ 4. 誤り
口腔内色素沈着
口腔内色素沈着(口唇・口腔粘膜のメラニン色素沈着)はポイツ・ジェガース症候群の特徴であり、クローン病の合併症ではない。ポイツ・ジェガース症候群は消化管ポリポーシスと口腔粘膜の色素沈着を特徴とする常染色体優性遺伝疾患である。
ポイント
  • クローン病の特徴的合併症は痔瘻であり、全層性炎症により腸管壁を貫通して瘻孔を形成する。
  • 非連続性の病変(skip lesion)、全層性炎症、縦走潰瘍、敷石像がクローン病の病理学的特徴である。
  • クローン病は回盲部に好発し、10~20代の若年者に多い。潰瘍性大腸炎との鑑別が重要である。
  • 腸管合併症として痔瘻のほか、腸管狭窄、腸管穿孔、内瘻・外瘻がある。
  • 重要用語: クローン病、痔瘻、非連続性病変、全層性炎症、縦走潰瘍 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 クローン病 潰瘍性大腸炎
病変部位 口腔~肛門(回盲部に好発) 直腸から連続的に口側へ
病変の分布 非連続性(skip lesion) 連続性
炎症の深さ 全層性 粘膜・粘膜下層
特徴的所見 縦走潰瘍、敷石像 びらん・潰瘍、偽ポリープ
肛門病変 痔瘻が高頻度 まれ
癌化リスク 低い 長期経過例で大腸癌リスク上昇
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題71|クローン病の合併症はどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題71|クローン病の合併症はどれか。
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