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理由で解く 臨床医学各論

Q0841 整形外科疾患

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題80
問題
「78歳の女性。大腿骨頚部骨折の術後3日間ベッド上安静であったが、突然胸痛、呼吸困難が出現した。胸部単純エックス線写真でうっ血所見はなく、肺野の透過性増大がみられた。血性クレアチニンキナーゼ値は正常、D-ダイマー値上昇が認められた。」本疾患の危険因子として最も重要なのはどれか。
選択肢
1 脱水
2 貧血
3 運動
4 徐脈
解答
正解1(脱水)
解説
✓ 1. 正しい
脱水
脱水は血液粘稠度を上昇させ、深部静脈血栓症(DVT)のリスクを著しく高める最も重要な危険因子の一つである。術後の長期臥床に加えて脱水状態が重なると、下肢の血流はうっ滞し血栓形成のリスクが著しく増大する。高齢者は口渇感の低下や腎機能低下により特に脱水に陥りやすいため注意が必要である。
✗ 2. 誤り
貧血
貧血は全身の酸素供給低下をもたらすが、肺血栓塞栓症や深部静脈血栓症の直接的な危険因子ではない。ウィルヒョウの三徴(血流うっ滞・血管内皮障害・血液凝固能亢進)とは関連が薄い。
✗ 3. 誤り
運動
運動は血液循環を促進し、下肢の筋ポンプ作用を活性化するため、むしろ深部静脈血栓症の予防に有効である。術後早期の離床・運動が血栓予防として推奨されている。
✗ 4. 誤り
徐脈
徐脈は肺血栓塞栓症や深部静脈血栓症の直接的な危険因子ではない。むしろ肺塞栓症発症時には頻脈がみられることが多く、バイタルサインの変化として重要である。
ポイント
  • 肺血栓塞栓症の危険因子として脱水・長期臥床・術後が特に重要であり、ウィルヒョウの三徴(血流うっ滞・血管内皮障害・血液凝固能亢進)と関連する
  • 脱水は血液粘稠度を上昇させDVTリスクを高め、高齢者は特に脱水に陥りやすい
  • 術後は適切な水分補給と早期離床が血栓予防の基本であり、運動はむしろ予防に有効である
  • 重要用語: ウィルヒョウの三徴, 脱水, 深部静脈血栓症(DVT) を正確に理解しておくこと。
比較表
危険因子 DVT・肺塞栓との関連 機序
脱水 ○(重要) 血液粘稠度上昇
長期臥床 ○(重要) 血流うっ滞
術後 ○(重要) 血管内皮障害・凝固能亢進
高齢 血管・凝固系の加齢変化
運動 ×(予防因子) 筋ポンプ作用促進
貧血 × 直接的関連なし
徐脈 × 直接的関連なし
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題80|「78歳の女性。大腿骨頚部骨折の術後3日間ベッド上安静であったが、突然胸痛、呼吸困難が出現した。胸部単純エックス線写真でうっ血所見はなく、肺野の透過性増大がみられた。血性クレアチニンキナーゼ値は正常、D-ダイマー値上昇が認められた。」本疾患の危険因子として最も重要なのはどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題80|「78歳の女性。大腿骨頚部骨折の術後3日間ベッド上安静であったが、突然胸痛、呼吸困難が出現した。胸部単純エックス線写真でうっ血所見はなく、肺野の透過性増大がみられた。血性クレアチニンキナーゼ値は正常、D-ダイマー値上昇が認められた。」本疾患の危険因子として最も重要なのはどれか。
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