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理由で解く 臨床医学各論

Q0840 整形外科疾患

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題79
問題
「78歳の女性。大腿骨頚部骨折の術後3日間ベッド上安静であったが、突然胸痛、呼吸困難が出現した。胸部単純エックス線写真でうっ血所見はなく、肺野の透過性増大がみられた。血性クレアチニンキナーゼ値は正常、D-ダイマー値上昇が認められた。」本疾患の発症を予測するのに最も有用な検査はどれか。
選択肢
1 ホルター心電図
2 負荷心筋シンチグラフィ
3 頸動脈超音波検査
4 下肢静脈超音波検査
解答
正解4(下肢静脈超音波検査)
解説
✗ 1. 誤り
ホルター心電図
ホルター心電図は24時間の心電図を記録し、不整脈の評価に用いる検査である。深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の検出・予測には適さない。
✗ 2. 誤り
負荷心筋シンチグラフィ
負荷心筋シンチグラフィは冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)の評価に用いる検査である。肺塞栓症の原因である深部静脈血栓の検索には不適切である。
✗ 3. 誤り
頸動脈超音波検査
頸動脈超音波検査は頸動脈の動脈硬化や狭窄の評価に用いる検査である。脳血管疾患のスクリーニングに有用であるが、肺塞栓症の原因となる下肢深部静脈血栓の検出には関連しない。
✓ 4. 正しい
下肢静脈超音波検査
本症例は大腿骨頸部骨折術後の安静中に突然の胸痛・呼吸困難が出現し、D-ダイマー高値であることから肺血栓塞栓症が強く疑われる。肺血栓塞栓症の原因の約90%は下肢深部静脈血栓症(DVT)であり、下肢静脈超音波検査でDVTを検出することが発症予測に最も有用である。CK正常は心筋梗塞の除外を示唆し、肺野の透過性増大(Westermark徴候)は肺塞栓による血流途絶を反映する。
ポイント
  • 術後の長期臥床中に突然の胸痛・呼吸困難・D-ダイマー高値がみられた場合、肺血栓塞栓症を強く疑う
  • 肺血栓塞栓症の原因の約90%は下肢深部静脈血栓症(DVT)であり、下肢静脈超音波検査が発症予測に最も有用である
  • CK正常は心筋梗塞の除外に有用であり、肺野の透過性増大(Westermark徴候)は肺塞栓の所見である
  • 重要用語: 肺血栓塞栓症, 深部静脈血栓症(DVT), D-ダイマー を正確に理解しておくこと。
比較表
検査 目的 本症例での有用性
下肢静脈超音波検査 DVTの検出 最も有用
造影CT 肺動脈内血栓の確認 確定診断に有用
D-ダイマー 血栓の存在を示唆 スクリーニング
ホルター心電図 不整脈の評価 不適切
負荷心筋シンチ 冠動脈疾患の評価 不適切
頸動脈超音波 頸動脈狭窄の評価 不適切
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題79|「78歳の女性。大腿骨頚部骨折の術後3日間ベッド上安静であったが、突然胸痛、呼吸困難が出現した。胸部単純エックス線写真でうっ血所見はなく、肺野の透過性増大がみられた。血性クレアチニンキナーゼ値は正常、D-ダイマー値上昇が認められた。」本疾患の発症を予測するのに最も有用な検査はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題79|「78歳の女性。大腿骨頚部骨折の術後3日間ベッド上安静であったが、突然胸痛、呼吸困難が出現した。胸部単純エックス線写真でうっ血所見はなく、肺野の透過性増大がみられた。血性クレアチニンキナーゼ値は正常、D-ダイマー値上昇が認められた。」本疾患の発症を予測するのに最も有用な検査はどれか。
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