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理由で解く 臨床医学各論

Q0028 感染症

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題81
問題
細菌性食中毒で正しい記述はどれか。
選択肢
1 サルモネラ属は潜伏期が1 週間である。
2 腸炎ビブリオによる食中毒はボツリヌスより発症頻度が低い。
3 ボツリヌス菌毒素は高温加熱によっても不活性化されない。
4 腸管病原性大腸菌ではベロ毒素によって発症する。
解答
正解4(腸管病原性大腸菌ではベロ毒素によって発症する。)
解説
✗ 1. 誤り
サルモネラ属は潜伏期が1 週間である。
サルモネラ属の食中毒の潜伏期間は6〜48時間であり、1週間ではない。肉・卵・乳製品が原因食品で、水様便・腹痛・発熱が主症状である。
✗ 2. 誤り
腸炎ビブリオによる食中毒はボツリヌスより発症頻度が低い。
腸炎ビブリオは食中毒の原因菌として発症頻度が高く、ボツリヌスよりはるかに多い。
✗ 3. 誤り
ボツリヌス菌毒素は高温加熱によっても不活性化されない。
ボツリヌス毒素は易熱性であり、80度30分または100度1分の加熱で不活性化される。なお、ブドウ球菌のエンテロトキシンは100度30分でも不活性化されない耐熱性毒素である点と区別する。
✓ 4. 正しい
腸管病原性大腸菌ではベロ毒素によって発症する。
ベロ毒素産生性腸管病原性大腸菌(VTEC、O157など)はベロ毒素(志賀毒素様毒素)を産生し、出血性腸炎を引き起こす。溶血性尿毒症症候群や血栓性血小板減少性紫斑病を起こして重症になる危険性があるとされている。
ポイント
  • ボツリヌス毒素は「易熱性」(80度30分で失活)、ブドウ球菌のエンテロトキシンは「耐熱性」(100度30分でも失活しない)であり、両者の耐熱性の違いは頻出ポイントである。
  • ベロ毒素産生性大腸菌(O157など)は出血性腸炎を起こし、小児や高齢者では溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併しうる。
  • 重要用語: ベロ毒素, 溶血性尿毒症症候群(HUS), ボツリヌス毒素の易熱性 を正確に理解しておくこと。
比較表
毒素 産生菌 耐熱性 主な作用
エンテロトキシン 黄色ブドウ球菌 耐熱性(100度30分でも失活しない) 嘔吐中枢刺激
ボツリヌス毒素 ボツリヌス菌 易熱性(80度30分で失活) 神経筋接合部阻害
ベロ毒素 腸管出血性大腸菌 腸管・腎臓障害
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題81|細菌性食中毒で正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題81|細菌性食中毒で正しい記述はどれか。
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