学習トップ理由で解く 臨床医学各論第1章 ▸ B. 細菌感染症 / Q0029

理由で解く 臨床医学各論

Q0029 感染症

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題82
問題
感染症について正しい記述はどれか。
選択肢
1 大量の抗菌薬を投与しないと日和見感染が起こる。
2 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は院内感染の原因になる。
3 腸管病原性大腸菌で起こる感染症を菌交代症という。
4 生命に対する危険度が最も高いものは5 類感染症に分類される。
解答
正解2(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は院内感染の原因になる。)
解説
✗ 1. 誤り
大量の抗菌薬を投与しないと日和見感染が起こる。
日和見感染は免疫力が低下した宿主に、通常は病原性の弱い微生物が感染して発症するものである。大量の抗菌薬投与が原因ではなく、癌・糖尿病・AIDS・抗癌剤使用などによる免疫能低下が原因である。
✓ 2. 正しい
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は院内感染の原因になる。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は多くの抗菌薬に耐性を示す薬剤耐性菌であり、院内感染の最も重要な原因菌の一つである。治療にはバンコマイシンが使用される。
✗ 3. 誤り
腸管病原性大腸菌で起こる感染症を菌交代症という。
菌交代症とは、大量の抗菌薬投与によって体内の常在菌のバランスが乱れ、抗菌薬に感受性のない微生物が増殖して新たな感染症を引き起こすものである。腸管病原性大腸菌による感染症とは異なる概念である。
✗ 4. 誤り
生命に対する危険度が最も高いものは5 類感染症に分類される。
生命に対する危険度が最も高い感染症は一類感染症に分類される(エボラ出血熱、ペスト、ラッサ熱など)。五類感染症はインフルエンザやAIDSなど、国が感染症発生動向調査を行うものであり、危険度が最も高いわけではない。
ポイント
  • 日和見感染・菌交代症・院内感染は現代の感染症の重要課題であり、それぞれの概念を正確に区別すること。日和見感染は「免疫低下による弱毒菌の感染」、菌交代症は「抗菌薬による常在菌バランスの乱れ」、院内感染は「病院内での感染伝播」である。
  • 感染症法の分類は一類(最も危険)から五類の順に危険度が下がる。
  • 重要用語: MRSA, 日和見感染, 菌交代症, 院内感染 を正確に理解しておくこと。
比較表
概念 定義 原因
日和見感染 免疫低下時に弱毒菌が感染を起こす 癌・糖尿病・AIDSなどの免疫低下
菌交代症 抗菌薬で常在菌バランスが乱れ耐性菌が増殖 大量の抗菌薬投与
院内感染 病院内で微生物が患者に伝播して感染 MRSA等の薬剤耐性菌
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題82|感染症について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題82|感染症について正しい記述はどれか。
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