学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0831

理由で解く 臨床医学各論

Q0831 整形外科疾患

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題78
問題
外傷性脱臼について正しい記述はどれか。
選択肢
1 整復後直ちに運動を開始する。
2 頻度の高いのは肩関節である。
3 腫脹が治まってから整復する。
4 肘関節脱臼では血管損傷を合併することが多い。
解答
正解2(頻度の高いのは肩関節である。)
解説
✗ 1. 誤り
整復後直ちに運動を開始する。
整復後は関節包・靱帯の修復と関節の安定化のため、2〜3週間の固定が必要である。直ちに運動を開始すると関節の不安定性が残存し、再脱臼や習慣性脱臼のリスクが高まる。
✓ 2. 正しい
頻度の高いのは肩関節である。
外傷性脱臼で最も頻度が高いのは肩関節(全脱臼の約50%)で、特に前方脱臼が90%以上を占める。肩関節は可動域が広く関節窩が浅いため脱臼しやすい構造であり、腋窩神経損傷の合併に注意が必要である。
✗ 3. 誤り
腫脹が治まってから整復する。
脱臼は腫脹が増強する前にできるだけ早期に整復すべきである。時間が経過すると筋痙縮や腫脹により整復困難となり、血管・神経障害のリスクも高まる。
✗ 4. 誤り
肘関節脱臼では血管損傷を合併することが多い。
肘関節脱臼では血管損傷(上腕動脈損傷)よりも、尺骨神経損傷や正中神経損傷などの神経合併症の頻度が高い。血管損傷も起こりうるが「多い」とはいえない。
ポイント
  • 肩関節前方脱臼が全脱臼の約半数を占め、腋窩神経損傷に注意が必要である
  • 脱臼の特徴的所見は弾発性固定と関節窩の空虚感である
  • 整復はできるだけ早期に行い、整復後は2〜3週間の固定を経て段階的にリハビリを開始する
  • 重要用語: 肩関節前方脱臼, 弾発性固定, 腋窩神経損傷 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題78|外傷性脱臼について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題78|外傷性脱臼について正しい記述はどれか。
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