学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0824

理由で解く 臨床医学各論

Q0824 整形外科疾患

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題81
問題
外傷性脱臼について正しい記述はどれか。
選択肢
1 関節包は破れていない。
2 ばね様固定を認める。
3 習慣性脱臼と陳旧性脱臼は同じである。
4 整復後痛みがなければ他動運動を開始する。
解答
正解2(ばね様固定を認める。)
解説
✗ 1. 誤り
関節包は破れていない。
外傷性脱臼では骨頭が関節腔から逸脱する際に関節包や靱帯が破れる。関節包の損傷は外傷性脱臼における必須の病態であり、関節包が保たれている場合は不全脱臼(亜脱臼)と区別される。破裂した関節包の修復には2〜3週間の安静固定を要する。
✓ 2. 正しい
ばね様固定を認める。
外傷性脱臼ではばね様固定(弾発性固定)が特徴的にみられる。脱臼した関節を他動的に動かそうとするとばね様の弾力的な抵抗があり、力を抜くと元の異常位置に戻る現象である。周囲の筋の反射性痙縮によって生じ、骨折には認められないため鑑別に有用である。
✗ 3. 誤り
習慣性脱臼と陳旧性脱臼は同じである。
習慣性脱臼と陳旧性脱臼は異なる概念である。習慣性脱臼は初回脱臼後に関節包や靱帯の修復が不十分なために軽微な外力で繰り返し脱臼するものである。陳旧性脱臼は脱臼が整復されずに長期間(3週間以上)放置され、周囲組織の癒着・瘢痕化により徒手整復が困難となったものを指す。
✗ 4. 誤り
整復後痛みがなければ他動運動を開始する。
整復後は軟部組織(関節包・靱帯)の修復が必要であり、痛みがなくても2〜3週間の安静固定が必要である。早期に他動運動を開始すると修復が不十分となり、関節の不安定性が残存して反復性脱臼や習慣性脱臼の原因となる。
ポイント
  • ばね様固定(弾発性固定)は外傷性脱臼に特徴的な所見で骨折との鑑別に重要である
  • 外傷性脱臼では関節包・靱帯の破裂が必須であり、修復には2〜3週の固定が必要である
  • 習慣性脱臼と陳旧性脱臼は病態・成因が異なるため混同しない
  • 重要用語: 弾発性固定、関節包破裂、習慣性脱臼、陳旧性脱臼 を正確に理解しておくこと。
比較表
脱臼の種類 定義 特徴
新鮮脱臼 受傷直後〜3週間以内 徒手整復が可能
陳旧性脱臼 3週間以上放置 癒着により徒手整復困難
習慣性脱臼 軽微な外力で反復 関節包・靱帯の修復不全
反復性脱臼 外傷を契機に反復 骨欠損・関節唇損傷が原因
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題81|外傷性脱臼について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題81|外傷性脱臼について正しい記述はどれか。
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