学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0823

理由で解く 臨床医学各論

Q0823 整形外科疾患

出典:あマ指 第5回(1997) 問題84
問題
骨折部位で最も癒合しにくいのはどれか。
選択肢
1 鎖骨中央部
2 橈骨下端部
3 大腿骨頸部
4 踵骨体部
解答
正解3(大腿骨頸部)
解説
✗ 1.
鎖骨中央部
✗ 正しい。鎖骨中央部骨折は血流が豊富で骨膜が厚いため、比較的癒合しやすい骨折である。小児では保存的治療(鎖骨バンドなど)で良好な骨癒合が得られる。全骨折の中でも最も癒合しやすい部位の一つに数えられる。
✗ 2.
橈骨下端部
✗ 正しい。橈骨下端部は海綿骨が豊富で血流も良好なため、癒合しやすい部位である。コーレス骨折として高齢者に好発するが、ギプス固定による保存的治療で比較的良好な骨癒合が得られることが多い。
✓ 3. 誤り
大腿骨頸部
大腿骨頸部は骨折部位の中で最も癒合しにくい代表的な部位である。特に内側骨折は関節包内に位置し骨膜がなく、骨折により栄養血管が損傷されるため血液供給が極めて乏しい。偽関節になりやすい部位として、舟状骨骨折・脛骨中下1/3骨折とともに頻出である。
✗ 4.
踵骨体部
✗ 正しい。踵骨体部は海綿骨主体で比較的血流があるため、大腿骨頸部ほど癒合困難ではない。踵骨骨折は高所からの転落で発生し、治療に難渋することもあるが、偽関節に至ることは比較的少ない。
ポイント
  • 偽関節になりやすい3大部位は大腿骨頸部内側、舟状骨、脛骨中下1/3である
  • 大腿骨頸部内側骨折は関節包内で骨膜・血流が乏しく、癒合不全・骨壊死のリスクが最も高い
  • 高齢者では骨修復能の低下も加わり、人工骨頭置換術が選択されることが多い
  • 重要用語: 偽関節、大腿骨頸部骨折、骨癒合不良 を正確に理解しておくこと。
比較表
部位 癒合の難易度 理由
大腿骨頸部(内側) 極めて困難 関節包内・骨膜なし・血流不良
舟状骨 困難 血流が遠位から近位への一方向性
脛骨中下1/3 やや困難 骨膜・軟部組織が薄く血流不良
鎖骨中央部 良好 血流豊富・骨膜が厚い
橈骨下端部 良好 海綿骨豊富・血流良好
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題84|骨折部位で最も癒合しにくいのはどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題84|骨折部位で最も癒合しにくいのはどれか。
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