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理由で解く 臨床医学各論

Q0814 整形外科疾患

出典:あマ指 第14回(2006) 問題84
問題
小児の肘関節周辺骨折について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 上腕骨顆上骨折の頻度が高い。
2 上腕骨外顆骨折では手術の適応が多い。
3 フォルクマン拘縮は重篤な合併症である。
4 肘関節拘縮には強力に変形矯正を行う。
解答
正解4(肘関節拘縮には強力に変形矯正を行う。)
解説
✗ 1.
上腕骨顆上骨折の頻度が高い。
✗ 正しい。上腕骨顆上骨折は小児の肘関節周辺骨折の中で最も頻度が高い。転倒時に手をついた際の介達外力で生じることが多く、伸展型が大多数を占める。5〜10歳の小児に好発し、肘頭が後方に突出する変形を呈する。
✗ 2.
上腕骨外顆骨折では手術の適応が多い。
✗ 正しい。上腕骨外顆骨折は関節内骨折であり、骨片が転位しやすいため手術(観血的整復固定術)の適応となることが多い。保存的治療では骨片の整復位が保持されにくく、偽関節の形成や外反肘変形を生じるリスクがある。
✗ 3.
フォルクマン拘縮は重篤な合併症である。
✗ 正しい。フォルクマン(Volkmann)拘縮は上腕骨顆上骨折の最も重篤な合併症である。骨折に伴う腫脹やギプス固定による前腕の区画内圧上昇(コンパートメント症候群)が原因で、前腕屈筋群の虚血性壊死が生じ、不可逆的な屈曲拘縮をきたす。
✓ 4. 誤り
肘関節拘縮には強力に変形矯正を行う。
小児の肘関節拘縮に対して強力な変形矯正を行うことは禁忌である。粗暴な矯正手技は骨化性筋炎を誘発する危険があり、かえって拘縮を悪化させる。小児は自家矯正能が旺盛であるため、愛護的なリハビリテーションと自然回復を待つことが原則である。
ポイント
  • 上腕骨顆上骨折は小児肘骨折で最多であり、フォルクマン拘縮(前腕屈筋群の虚血性壊死・拘縮)が最も重篤な合併症である
  • 小児の肘関節拘縮に対する強力な変形矯正は骨化性筋炎を誘発するため禁忌である
  • 小児は自家矯正能が旺盛なため、愛護的なリハビリテーションと自然回復を待つことが原則である
  • 重要用語: フォルクマン拘縮、骨化性筋炎 を正確に理解しておくこと。
比較表
骨折の種類 頻度・特徴 主な合併症
上腕骨顆上骨折 小児肘骨折で最多、伸展型が多い フォルクマン拘縮、内反肘
上腕骨外顆骨折 関節内骨折、転位しやすい 偽関節、外反肘
上腕骨内側上顆骨折 関節内への骨片嵌入あり 尺骨神経障害
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題84|小児の肘関節周辺骨折について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題84|小児の肘関節周辺骨折について誤っている記述はどれか。
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