学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ H. 外傷 / Q0806

理由で解く 臨床医学各論

Q0806 整形外科疾患

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題87
問題
骨折について正しい記述はどれか。
選択肢
1 粉砕骨折とは複雑骨折のことである。
2 骨端部骨折では関節の機能障害を生じやすい。
3 骨折部位を中心に約15cmの副子を当てる。
4 骨に銅線を刺入して牽引する方法を介達牽引法という。
解答
正解2(骨端部骨折では関節の機能障害を生じやすい。)
解説
✗ 1. 誤り
粉砕骨折とは複雑骨折のことである。
粉砕骨折(comminuted fracture)は骨が3つ以上の骨片に粉砕された骨折を指す。一方、複雑骨折は以前は開放骨折(皮膚に創があり骨折部が外界と交通している骨折)の意味で使われた用語である。 現在は開放骨折という用語を使用し、粉砕骨折と複雑骨折(開放骨折)は異なる概念である。
✓ 2. 正しい
骨端部骨折では関節の機能障害を生じやすい。
骨端部骨折では骨折線が関節面に及ぶことが多く(関節内骨折)、関節軟骨の不整や関節の適合性が損なわれるため、関節の機能障害を生じやすい。 関節面の段差が残ると変形性関節症の原因となるため正確な解剖学的整復が必要であり、小児では骨端線損傷により成長障害を来すこともある。
✗ 3. 誤り
骨折部位を中心に約15cmの副子を当てる。
副子(シーネ)の長さは骨折部の上下の関節を固定できる長さが必要である。 例えば前腕骨折では手関節から肘関節を越える長さが必要であり、約15cmでは不十分である。適切な固定には骨折部を中心に上下の関節を含む十分な長さの副子を当てる。
✗ 4. 誤り
骨に銅線を刺入して牽引する方法を介達牽引法という。
骨に鋼線(キルシュナー鋼線など)や金属ピンを刺入して直接牽引する方法は直達牽引法(骨牽引)である。 介達牽引法は皮膚を介して行う牽引で、絆創膏や布を用いて皮膚に牽引力を加える方法(皮膚牽引)を指す。名称と方法の対応を正確に覚えること。
ポイント
  • 骨折の分類には部位別(骨幹部・骨幹端・骨端部)、骨折線の形態別(横・斜・螺旋・粉砕)、皮膚損傷の有無別(閉鎖・開放)がある
  • 関節内骨折は関節機能に直接影響するため、できる限り正確な整復と早期の関節運動開始が重要である
  • 骨折の治癒過程は血腫形成→仮骨形成→骨改変の順に進行し、小児は修復力が強い
  • 重要用語: 骨端部骨折・関節内骨折・直達牽引法・介達牽引法 を正確に理解しておくこと。
比較表
牽引法 方法 適応
直達牽引法(骨牽引) 鋼線・金属ピンを骨に刺入して牽引 大きな牽引力が必要な場合
介達牽引法(皮膚牽引) 絆創膏・布を皮膚に貼付して牽引 小児や軽度の牽引
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題87|骨折について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題87|骨折について正しい記述はどれか。
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