学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ G. 脊髄損傷 / Q0797

理由で解く 臨床医学各論

Q0797 整形外科疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題85
問題
「75歳の男性。脚立から落下し、手足が動かなくなった。非骨傷性脊髄損傷と診断され入院した。肘関節の屈曲は可能、手関節の伸展と屈曲および肘関節の伸展は不能であった。」本患者の脊髄節残存高位はどれか。
選択肢
1 C5
2 C6
3 C7
4 C8
解答
正解1(C5)
解説
✓ 1. 正しい
C5
肘関節の屈曲が可能であるが、手関節の伸展・屈曲および肘関節の伸展が不能であることから、脊髄節残存高位はC5である。C5レベルでは上腕二頭筋(肘関節屈曲)と三角筋(肩関節外転)が機能するため、肘の屈曲と肩の弱い動きは可能である。しかしC6以下の機能が失われているため、手関節の背屈(C6:橈側手根伸筋)や肘関節の伸展(C7:上腕三頭筋)は不能となる。
✗ 2. 誤り
C6
C6が残存していれば手関節の背屈(伸展)が可能となる。C6レベルでは橈側手根伸筋が機能し、手関節の背屈によるテノデーシス効果を利用したつまみ動作も可能となる。本症例では手関節伸展が不能であるため、C6レベルは残存していない。
✗ 3. 誤り
C7
C7が残存していれば肘関節の伸展(上腕三頭筋によるプッシュアップ動作)が可能となる。C7レベルでは手関節の弱い屈曲も可能である。本症例では肘関節伸展が不能であるため、C7レベルは残存していない。
✗ 4. 誤り
C8
C8が残存していれば手指の屈曲による弱い握り動作やつまみ動作が可能となる。本症例の機能レベルはC8よりはるかに高位の障害を示しており、C8残存ではない。
ポイント
  • 脊髄損傷の高位診断は「何ができて何ができないか」から残存高位を判定する
  • C5:肘屈曲(上腕二頭筋)、C6:手関節背屈(橈側手根伸筋)、C7:肘伸展(上腕三頭筋)、C8:手指屈曲の対応を正確に覚える
  • 非骨傷性脊髄損傷は高齢者の頸椎症性変化を基盤に軽微な外傷で発症することが多い
  • 重要用語: 脊髄節残存高位、キーマッスル を正確に理解しておくこと。
比較表
脊髄節 主な支配筋 可能な運動 ADLの目安
C5 上腕二頭筋、三角筋 肘関節屈曲、肩の弱い動き 食事(自助具)、電動車椅子
C6 橈側手根伸筋 手関節背屈、強い肘屈曲 テノデーシス動作、移乗一部可
C7 上腕三頭筋 肘関節伸展(プッシュアップ) 車椅子自立、移乗自立
C8 手指屈筋群 弱いつまみ・握り動作 手指の巧緻動作(一部)
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題85|「75歳の男性。脚立から落下し、手足が動かなくなった。非骨傷性脊髄損傷と診断され入院した。肘関節の屈曲は可能、手関節の伸展と屈曲および肘関節の伸展は不能であった。」本患者の脊髄節残存高位はどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題85|「75歳の男性。脚立から落下し、手足が動かなくなった。非骨傷性脊髄損傷と診断され入院した。肘関節の屈曲は可能、手関節の伸展と屈曲および肘関節の伸展は不能であった。」本患者の脊髄節残存高位はどれか。
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