学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ F. 脊椎疾患 / Q0783

理由で解く 臨床医学各論

Q0783 整形外科疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題87
問題
「58歳の女性。6日前から右肩のこり感があった。昨日から右肩甲骨内側の痛みと右前腕橈側から母指・示指のしびれが出現した。右上肢の挙上障害はなく、衣服のボタンかけにも異常はない。下肢に症状はない。」神経学的所見で正しいのはどれか。
選択肢
1 ワルテンベルグ反射陽性
2 指鼻試験陽性
3 バレー徴候陽性
4 腕橈骨筋腱反射減弱
解答
正解4(腕橈骨筋腱反射減弱)
解説
✗ 1. 誤り
ワルテンベルグ反射陽性
ワルテンベルグ反射は病的反射の一つで、上位運動ニューロン障害(錐体路障害)の際に陽性となる。本症例は右前腕橈側から母指・示指のしびれという末梢神経障害(神経根障害)のパターンであり、上位運動ニューロン障害を示す所見は認められない。
✗ 2. 誤り
指鼻試験陽性
指鼻試験は小脳機能検査であり、小脳障害(運動失調)の有無を評価する。本症例は小脳障害の症状(ふらつき・協調運動障害)を呈しておらず、指鼻試験陽性は考えにくい。
✗ 3. 誤り
バレー徴候陽性
バレー徴候(上肢のバレー徴候)は軽度の錐体路障害による上肢の運動麻痺を検出する検査である。本症例では「右上肢の挙上障害はなく」と明記されており、上肢の筋力は保たれていることから、バレー徴候陽性は考えにくい。
✓ 4. 正しい
腕橈骨筋腱反射減弱
腕橈骨筋腱反射の減弱が正しい神経学的所見である。本症例の症状パターン(右肩甲骨内側の痛み、右前腕橈側から母指・示指のしびれ)はC5-C6神経根障害(頸椎症性神経根症)を示唆する。腕橈骨筋はC5-C6神経根支配であり、C5-C6レベルの神経根障害では腕橈骨筋腱反射が減弱する。上腕二頭筋腱反射の減弱もC5-C6障害で出現する。
ポイント
  • 前腕橈側〜母指・示指のしびれはC5-C6神経根障害を示唆する
  • C5-C6障害では腕橈骨筋腱反射と上腕二頭筋腱反射が減弱する
  • ワルテンベルグ反射・バレー徴候は上位運動ニューロン障害の所見で、本症例には合致しない
  • 重要用語: C5-C6神経根障害, 腕橈骨筋腱反射, 頸椎症性神経根症 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経根 感覚領域 反射 筋力
C5 上腕外側(三角筋部) 上腕二頭筋腱反射 三角筋・上腕二頭筋
C6 前腕橈側〜母指・示指 腕橈骨筋腱反射 上腕二頭筋・手関節背屈
C7 中指 上腕三頭筋腱反射 上腕三頭筋・手関節掌屈
C8 前腕尺側〜環指・小指 なし 手指屈筋群
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題87|「58歳の女性。6日前から右肩のこり感があった。昨日から右肩甲骨内側の痛みと右前腕橈側から母指・示指のしびれが出現した。右上肢の挙上障害はなく、衣服のボタンかけにも異常はない。下肢に症状はない。」神経学的所見で正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題87|「58歳の女性。6日前から右肩のこり感があった。昨日から右肩甲骨内側の痛みと右前腕橈側から母指・示指のしびれが出現した。右上肢の挙上障害はなく、衣服のボタンかけにも異常はない。下肢に症状はない。」神経学的所見で正しいのはどれか。
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