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理由で解く 臨床医学各論

Q0782 整形外科疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題88
問題
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の男性。長時間の座位により右下肢痛が生じるようになったため整形外科を受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立ちで踵の挙上ができなかった。」早期に手術治療を要する病態はどれか。
選択肢
1 尿閉
2 下腿後面のしびれ
3 夜間のこむら返り
4 アキレス腱反射消失
解答
正解1(尿閉)
解説
✓ 1. 正しい
尿閉
腰椎椎間板ヘルニアで尿閉が出現した場合、これは馬尾症候群を意味し、早期に手術治療(緊急除圧手術)を要する。馬尾神経が巨大ヘルニアにより圧迫されると膀胱直腸障害(尿閉・排尿困難・便秘・尿失禁)や会陰部のしびれが生じる。膀胱直腸障害は放置すると不可逆的な神経障害に移行するため、48時間以内の手術が推奨される。腰椎椎間板ヘルニアにおける手術の絶対適応である。
✗ 2. 誤り
下腿後面のしびれ
下腿後面のしびれはS1神経根障害に伴う感覚異常であり、保存的治療で経過観察が可能である。しびれのみでは緊急手術の適応とはならず、3か月程度の保存的治療で改善することも多い。
✗ 3. 誤り
夜間のこむら返り
夜間のこむら返り(有痛性筋痙攣)は腰椎椎間板ヘルニアに伴って認められることがあるが、緊急手術の適応ではない。下腿三頭筋の過敏性亢進や神経根の刺激によって生じると考えられるが、対症療法で対応可能である。
✗ 4. 誤り
アキレス腱反射消失
アキレス腱反射消失はS1神経根障害を示す重要な所見であるが、膀胱直腸障害ほどの緊急性はない。アキレス腱反射の消失は保存的治療で経過観察が可能であり、腱反射異常のみで緊急手術の適応とはならない。
ポイント
  • 腰椎椎間板ヘルニアで早期手術を要するのは膀胱直腸障害(尿閉)と高度の下肢麻痺(下垂足など)である
  • 膀胱直腸障害は不可逆的になりうるため、48時間以内の緊急手術が推奨される
  • しびれ・腱反射異常のみでは緊急手術の適応とはならず、3か月程度の保存的治療で改善することが多い
  • 重要用語: 馬尾症候群, 尿閉, 緊急手術適応, 膀胱直腸障害, 不可逆的神経障害 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題88|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の男性。長時間の座位により右下肢痛が生じるようになったため整形外科を受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立ちで踵の挙上ができなかった。」早期に手術治療を要する病態はどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題88|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の男性。長時間の座位により右下肢痛が生じるようになったため整形外科を受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立ちで踵の挙上ができなかった。」早期に手術治療を要する病態はどれか。
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