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理由で解く 臨床医学各論

Q0781 整形外科疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題87
問題
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の男性。長時間の座位により右下肢痛が生じるようになったため整形外科を受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立ちで踵の挙上ができなかった。」感覚鈍麻が疑われる部位はどれか。
選択肢
1 足底
2 足背中央
3 下腿内側
4 大腿前面
解答
正解1(足底)
解説
✓ 1. 正しい
足底
右の片脚立ちで踵の挙上(つま先立ち)ができないのは下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の筋力低下を示し、S1神経根障害が疑われる。S1神経根のデルマトーム(知覚支配領域)は足底と足の外側に相当するため、感覚鈍麻が疑われる部位は足底である。L5/S1間の椎間板ヘルニアによりS1神経根が圧迫され、つま先立ち不能・足底の感覚鈍麻・アキレス腱反射の低下ないし消失を呈する。
✗ 2. 誤り
足背中央
足背中央はL5神経根のデルマトームに相当する。L5神経根障害では母趾の背屈力低下(下垂足)が特徴であり、つま先立ち不能を示す本症例のS1障害とは異なる。L4/5間のヘルニアで障害されるのがL5神経根である。
✗ 3. 誤り
下腿内側
下腿内側はL4神経根のデルマトームに相当する。L4神経根障害では膝伸展力の低下と膝蓋腱反射の低下がみられる。L3/4間のヘルニアで障害されるのがL4神経根である。
✗ 4. 誤り
大腿前面
大腿前面はL2-L3神経根のデルマトームに相当する。上位腰椎の神経根障害では大腿前面の痛みやしびれが出現するが、つま先立ち不能を示す本症例とは障害レベルが異なる。
ポイント
  • つま先立ち不能は下腿三頭筋の筋力低下を意味し、S1神経根障害を示唆する。感覚鈍麻は足底に出現する
  • L5神経根障害では母趾背屈力低下(下垂足)、S1神経根障害ではつま先立ち不能とアキレス腱反射低下が特徴的である
  • L4/5間ヘルニアでL5、L5/S1間ヘルニアでS1神経根が障害される。椎間板の高位と障害神経根の対応を把握すること
  • 重要用語: S1神経根障害, 足底の感覚鈍麻, つま先立ち不能, アキレス腱反射, デルマトーム を正確に理解しておくこと。
比較表
神経根 デルマトーム 障害される筋 反射
L4 下腿内側 大腿四頭筋(膝伸展) 膝蓋腱反射低下
L5 足背中央 前脛骨筋・長母趾伸筋(母趾背屈)
S1 足底・足外側 下腿三頭筋(つま先立ち) アキレス腱反射低下
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題87|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の男性。長時間の座位により右下肢痛が生じるようになったため整形外科を受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立ちで踵の挙上ができなかった。」感覚鈍麻が疑われる部位はどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題87|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の男性。長時間の座位により右下肢痛が生じるようになったため整形外科を受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立ちで踵の挙上ができなかった。」感覚鈍麻が疑われる部位はどれか。
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