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理由で解く 臨床医学各論

Q0780 整形外科疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題88
問題
「14歳の男子。サッカー部に入部してから3か月が経過した。最近腰部を反らすと腰に痛みが出るようになり来院した。」本症例に特徴的な単純エックス線所見はどれか。
選択肢
1 椎間板腔の狭小化
2 腰椎前弯の消失
3 テリアの首輪
4 椎体の変形
解答
正解3(テリアの首輪)
解説
✗ 1. 誤り
椎間板腔の狭小化
椎間板腔の狭小化は変形性脊椎症や椎間板変性に伴う所見であり、14歳の腰椎分離症では認められない。椎間板の変性は加齢に伴って生じるものであり、若年者では通常みられない所見である。
✗ 2. 誤り
腰椎前弯の消失
腰椎前弯の消失は腰椎椎間板ヘルニアの急性期や傍脊柱筋のスパズムに伴ってみられる所見である。腰椎分離症では通常、腰椎前弯は保たれるか、すべり症を伴う場合にはむしろ前弯が増大する傾向がある。
✓ 3. 正しい
テリアの首輪
腰椎分離症のX線斜位像(45度斜位像)では、椎弓全体がテリア犬(スコッチテリア)のシルエットのように描出される。椎弓根が目、横突起が鼻、上関節突起が耳、下関節突起が前脚、棘突起と反対側の下関節突起が後脚に相当する。分離症では関節突起間部(峡部)に骨折線が認められ、テリア犬の首輪が断裂しているように見えるのが特徴的所見である。この所見を「テリアの首輪」または「スコッチテリアサイン」と呼ぶ。
✗ 4. 誤り
椎体の変形
椎体の変形は圧迫骨折、変形性脊椎症、骨粗鬆症による椎体の楔状変形などでみられる所見である。腰椎分離症は椎弓の骨折であり、椎体そのものには変形を生じない。
ポイント
  • 腰椎分離症のX線斜位像で「テリアの首輪」(スコッチテリアサイン)が特徴的所見であり、関節突起間部の骨折線として描出される
  • 腰椎分離症は椎弓の骨折であり椎体の病変ではないため、椎間板腔狭小化や椎体変形は認められない
  • 早期の分離症はX線では検出困難なことがあり、MRIやCTでの精査が有用である
  • 重要用語: テリアの首輪, 斜位X線, 関節突起間部, 腰椎分離症, スコッチテリアサイン を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題88|「14歳の男子。サッカー部に入部してから3か月が経過した。最近腰部を反らすと腰に痛みが出るようになり来院した。」本症例に特徴的な単純エックス線所見はどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題88|「14歳の男子。サッカー部に入部してから3か月が経過した。最近腰部を反らすと腰に痛みが出るようになり来院した。」本症例に特徴的な単純エックス線所見はどれか。
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