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理由で解く 臨床医学各論

Q0778 整形外科疾患

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題59
問題
頸椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。
選択肢
1 神経根症では上肢に腱反射の亢進を認める。
2 神経根症では腹壁反射の消失を認める。
3 脊髄症では下肢に腱反射の減弱を認める。
4 脊髄症では下肢に病的反射を認める。
解答
正解4(脊髄症では下肢に病的反射を認める。)
解説
✗ 1. 誤り
神経根症では上肢に腱反射の亢進を認める。
神経根症は末梢神経(下位運動ニューロン)の障害であり、障害された神経根の支配領域では腱反射は減弱・消失する。例えばC6神経根が障害されると上腕二頭筋反射が低下し、C7神経根が障害されると上腕三頭筋反射が低下する。亢進は上位運動ニューロン障害の所見である。
✗ 2. 誤り
神経根症では腹壁反射の消失を認める。
腹壁反射は表在反射であり、T7-T12の脊髄髄節が反射弓を構成する。腹壁反射の消失は胸髄レベル以上の上位運動ニューロン障害でみられるが、頸椎の神経根症(末梢の下位ニューロン障害)では通常消失しない。脊髄症であれば消失しうるが、本選択肢は神経根症としている。
✗ 3. 誤り
脊髄症では下肢に腱反射の減弱を認める。
脊髄症では脊髄が圧迫されることにより上位運動ニューロン障害が生じるため、損傷レベルより下位の下肢では腱反射は亢進する。減弱するのではなく亢進するのが上位運動ニューロン障害の特徴である。
✓ 4. 正しい
脊髄症では下肢に病的反射を認める。
頸椎椎間板ヘルニアの脊髄症では、脊髄が圧迫されて錐体路障害(上位運動ニューロン障害)が生じる。その結果、下肢にバビンスキー反射などの病的反射が出現する。バビンスキー反射は足底の外側を後方から前方へ擦過すると母趾が背屈し、他の趾が扇状に開く所見である。これは錐体路障害の確定的所見であり、脊髄症の重要な診断根拠となる。下肢の腱反射亢進、痙性麻痺、クローヌスなども併せて認める。
ポイント
  • 頸椎椎間板ヘルニアはC5/6、C6/7に好発し、上肢のしびれ・筋力低下を呈する。スパーリングテスト・ジャクソンテストが診断に有用である
  • 脊髄症では錐体路障害により下肢の腱反射亢進と病的反射(バビンスキー反射)が出現する
  • 神経根症と脊髄症では障害のレベルが異なり、腱反射の方向(低下か亢進か)が正反対となる
  • 重要用語: 脊髄症, 神経根症, バビンスキー反射, 上位運動ニューロン障害, 錐体路障害 を正確に理解しておくこと。
比較表
頸椎椎間板ヘルニアの病型 障害レベル 腱反射 病的反射
神経根症 下位運動ニューロン 障害レベルで低下 なし
脊髄症 上位運動ニューロン 下肢で亢進 バビンスキー反射陽性
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題59|頸椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題59|頸椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。
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