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理由で解く 臨床医学各論

Q0777 整形外科疾患

出典:あマ指 第28回(2020) 問題59
問題
腰部脊柱管狭窄症の治療で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 膀胱直腸障害は観血的治療の適応である。
2 片側性の下肢痛は保存的治療では改善しにくい。
3 会陰部の異常感覚は保存的治療で改善しやすい。
4 手術は脊椎固定術を要することが多い。
解答
正解1(膀胱直腸障害は観血的治療の適応である。)
解説
✓ 1. 正しい
膀胱直腸障害は観血的治療の適応である。
腰部脊柱管狭窄症で膀胱直腸障害が出現した場合、これは馬尾症候群を意味し、観血的治療(手術)の絶対適応である。膀胱直腸障害は放置すると不可逆的な神経障害に移行するため、速やかに除圧術を行う必要がある。手術適応となる重度の障害には、膀胱直腸障害のほか、著明な筋力低下・筋萎縮、安静時の下肢しびれ・痛み、間欠性跛行距離の著しい短縮(50〜100m)が含まれる。
✗ 2. 誤り
片側性の下肢痛は保存的治療では改善しにくい。
片側性の下肢痛は主に神経根型の症状であり、保存的治療(薬物療法、硬膜外ブロック、選択的神経根ブロック)で改善しやすい。神経根症状には自然寛解傾向があることも知られている。保存的治療で改善しにくいのはむしろ馬尾型の症状である。
✗ 3. 誤り
会陰部の異常感覚は保存的治療で改善しやすい。
会陰部の異常感覚(サドル麻痺)は馬尾症候群の症状であり、馬尾症状には自然寛解傾向がない。したがって保存的治療での改善は期待しにくく、手術適応を検討すべきである。この点が神経根型と異なる重要な鑑別点である。
✗ 4. 誤り
手術は脊椎固定術を要することが多い。
腰部脊柱管狭窄症の手術は除圧術(椎弓切除術・椎弓形成術)が主体であり、必ずしも脊椎固定術を必要としない。脊椎の不安定性やすべり症を合併する場合に、除圧術に脊椎固定術を追加することがある。
ポイント
  • 腰部脊柱管狭窄症の神経根型症状は保存的治療で改善しやすく自然寛解傾向があるが、馬尾型症状は自然寛解傾向がなく手術適応を検討すべきである
  • 膀胱直腸障害は手術の絶対適応であり、速やかに除圧を行わなければ不可逆的障害に至る
  • 手術は除圧術(椎弓切除術・椎弓形成術)が主体であり、不安定性やすべり症の合併がなければ脊椎固定術は不要である
  • 重要用語: 腰部脊柱管狭窄症, 膀胱直腸障害, 馬尾症候群, 除圧術, 神経根型 を正確に理解しておくこと。
比較表
病型 主な症状 保存的治療 手術適応
神経根型 片側性下肢痛・しびれ 改善しやすい(自然寛解傾向あり) 保存的治療無効例
馬尾型 両下肢しびれ・膀胱直腸障害・会陰部感覚異常 改善しにくい(自然寛解傾向なし) 積極的に検討
混合型 神経根型+馬尾型の合併 症状に応じて判断 馬尾症状があれば検討
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題59|腰部脊柱管狭窄症の治療で最も適切なのはどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題59|腰部脊柱管狭窄症の治療で最も適切なのはどれか。
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