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理由で解く 臨床医学各論

Q0776 整形外科疾患

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題59
問題
脊椎疾患と所見の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 頸椎椎間板ヘルニア ― 間欠跛行
2 頸椎後縦靱帯骨化症 ― 膝蓋腱反射の減弱
3 腰椎椎間板ヘルニア ― アキレス腱反射の亢進
4 腰部脊柱管狭窄症 ― 会陰部のしびれ
解答
正解4(腰部脊柱管狭窄症――――――会陰部のしびれ)
解説
✗ 1. 誤り
頸椎椎間板ヘルニア ― 間欠跛行
間欠性跛行は腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症状であり、頸椎椎間板ヘルニアでは認められない。頸椎椎間板ヘルニアでは頸部痛、上肢の放散痛・しびれ、スパーリングテスト陽性などが特徴的所見である。頸椎疾患では主に上肢症状が主体となり、下肢歩行障害は頸髄症で生じうるが間欠性跛行とは異なる。
✗ 2. 誤り
頸椎後縦靱帯骨化症 ― 膝蓋腱反射の減弱
頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)は脊髄を前方から圧迫する上位運動ニューロン障害であるため、膝蓋腱反射は亢進する。減弱するのは下位運動ニューロン障害(末梢神経障害・神経根障害)の場合である。OPLLでは痙性四肢麻痺が原則的な症状であり、深部腱反射亢進・病的反射陽性を伴う。
✗ 3. 誤り
腰椎椎間板ヘルニア ― アキレス腱反射の亢進
腰椎椎間板ヘルニアでは末梢の神経根が圧迫されるため、下位運動ニューロン障害を呈する。したがってアキレス腱反射は低下ないし消失する。亢進するのは上位運動ニューロン障害(脊髄障害)の場合であり、脊髄はL1〜L2レベルで脊髄円錐として終わるため、腰椎レベルには脊髄は存在しない。
✓ 4. 正しい
腰部脊柱管狭窄症 ― 会陰部のしびれ
腰部脊柱管狭窄症では馬尾神経が圧迫されることにより、会陰部のしびれ感(サドル麻痺)が出現する。これは馬尾症候群の症状であり、両下肢のしびれ・殿部の灼熱感・残尿感・尿意頻数・尿失禁・便秘などとともに認められる。馬尾症状には自然寛解傾向がないため、手術適応を検討すべき重要な所見である。
ポイント
  • 腰部脊柱管狭窄症の馬尾症状として会陰部のしびれ(サドル麻痺)・膀胱直腸障害が重要であり、自然寛解傾向がない
  • 上位運動ニューロン障害(脊髄障害)では腱反射亢進、下位運動ニューロン障害(神経根障害)では腱反射低下となる
  • 頸椎OPLLは脊髄を圧迫するため上位運動ニューロン徴候を呈し、腰椎疾患は神経根を圧迫するため下位運動ニューロン徴候を呈する
  • 重要用語: 腰部脊柱管狭窄症, 馬尾症候群, サドル麻痺, 後縦靱帯骨化症, 腱反射 を正確に理解しておくこと。
比較表
脊椎疾患 特徴的所見 深部腱反射 障害の種類
頸椎椎間板ヘルニア 上肢の放散痛、スパーリングテスト陽性 障害レベルで低下 下位運動ニューロン
頸椎後縦靱帯骨化症 痙性四肢麻痺、病的反射陽性 亢進 上位運動ニューロン
腰椎椎間板ヘルニア SLRテスト陽性、坐骨神経痛 低下・消失 下位運動ニューロン
腰部脊柱管狭窄症 間欠性跛行、会陰部しびれ 低下・消失 下位運動ニューロン
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題59|脊椎疾患と所見の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題59|脊椎疾患と所見の組合せで正しいのはどれか。
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