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理由で解く 臨床医学各論

Q0760 整形外科疾患

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題64
問題
脊椎分離すべり症について正しい記述はどれか。
選択肢
1 青少年にはみられない疾患である。
2 胸腰椎移行部に起こる頻度が高い。
3 上関節突起と下関節突起間に病変がみられる。
4 腰椎後弯が増強する。
解答
正解3(上関節突起と下関節突起間に病変がみられる)
解説
✗ 1. 誤り
青少年にはみられない疾患である。
脊椎分離症は青少年(10〜15歳頃)のスポーツ活動で発症することが多い疾患であり、「青少年にはみられない」という記述は明らかに事実と異なる。成長期の激しいスポーツ活動による腰椎への反復する過伸展・回旋ストレスが原因で発症する。
✗ 2. 誤り
胸腰椎移行部に起こる頻度が高い。
脊椎分離すべり症は第5腰椎(L5)に約90%と最も多く、次いで第4腰椎(L4)に発生する。胸腰椎移行部(Th12-L1付近)ではなく、下部腰椎に好発する。力学的負荷が最も大きい下部腰椎で椎弓峡部に疲労骨折が生じやすい。
✓ 3. 正しい
上関節突起と下関節突起間に病変がみられる。
脊椎分離症は椎弓の関節突起間部(上関節突起と下関節突起の間、椎弓峡部、pars interarticularis)に疲労骨折が生じる疾患である。この部位は力学的に脆弱であり、過伸展・回旋ストレスにより骨折が発生する。分離した椎弓峡部から椎体が前方にすべると分離すべり症となる。
✗ 4. 誤り
腰椎後弯が増強する。
脊椎分離すべり症では椎体が前方にすべることにより腰椎前弯(lordosis)が増強する。腰椎後弯(kyphosis)の増強ではない。すべりの程度が大きいと前弯が著明となり、腰部の階段状変形(step-off deformity)が触知されることがある。
ポイント
  • 脊椎分離すべり症は椎弓の関節突起間部(椎弓峡部)の疲労骨折に椎体前方すべりが加わった病態である
  • 青少年のスポーツ活動で発症し(青少年に多い)、第5腰椎に好発する(胸腰椎移行部ではない)
  • すべりにより腰椎前弯が増強する(後弯ではない)
  • 重要用語: 脊椎分離すべり症, 関節突起間部, 椎弓峡部, 腰椎前弯増強 を正確に理解しておくこと。
比較表
比較項目 脊椎分離症 脊椎分離すべり症
病態 椎弓峡部の疲労骨折 分離 + 椎体の前方すべり
好発部位 L5(約90%) L5(約90%)
好発年齢 10〜15歳(成長期) 分離症から進展
主症状 腰痛(運動時痛) 腰痛 + 神経根症状
神経根症状 なし(初期) あり(すべりによる圧迫)
腰椎弯曲 正常〜軽度前弯増強 前弯増強
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題64|脊椎分離すべり症について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題64|脊椎分離すべり症について正しい記述はどれか。
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