学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ F. 脊椎疾患 / Q0741

理由で解く 臨床医学各論

Q0741 整形外科疾患

出典:あマ指 第2回(1994) 問題88
問題
次の文で示す患者について最も考えられる疾患はどれか。「68歳の男性。約100m歩くと左の殿部から下腿部にかけて疼痛が生じる。しばらくしゃがんでいると症状は消失する。」
選択肢
1 腰椎分離症
2 脊柱管狭窄症
3 脊椎骨粗しょう症
4 変形性股関節症
解答
正解2(脊柱管狭窄症)
解説
✗ 1. 誤り
腰椎分離症
腰椎分離症は10代の若年スポーツ選手に多い腰痛疾患であり、腰椎後方要素(椎間関節部)の疲労骨折が原因である。腰痛が主症状で間欠跛行は典型的ではない。68歳という年齢や間欠跛行の症状からは考えにくい。
✓ 2. 正しい
脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症の典型的症状である神経性間欠跛行が示されている。歩行により脊柱管内の神経が圧迫されて殿部から下肢に疼痛・しびれが出現し、前かがみ姿勢やしゃがむ姿勢で脊柱管が広がり症状が軽減する。68歳という高齢、約100mという短距離で症状出現、しゃがむと軽快という経過は脊柱管狭窄症に極めて特徴的である。
✗ 3. 誤り
脊椎骨粗しょう症
脊椎骨粗鬆症は椎体圧迫骨折による腰背部痛・背部の後弯変形・身長低下が主症状であり、間欠跛行を呈することは少ない。歩行により出現し前屈で軽快するパターンの疼痛は特徴的でない。
✗ 4. 誤り
変形性股関節症
変形性股関節症は股関節の疼痛(鼠径部痛が典型的)・可動域制限・跛行が主症状であり、殿部〜下腿部への放散痛やしゃがむと軽快する間欠跛行は特徴的でない。持続性の股関節痛と可動域制限が主体である。
ポイント
  • 腰部脊柱管狭窄症の神経性間欠跛行は「歩行で症状出現→前屈位(しゃがむ)で軽快」が特徴的パターンである
  • 高齢者に好発し、SLRテストは陰性のことが多い点が腰椎椎間板ヘルニアとの鑑別点となる
  • 立位・歩行では脊柱管が狭窄し、前屈位では脊柱管が拡大するという姿勢による変化が病態の本質である
  • 重要用語: 神経性間欠跛行と前屈位での軽快 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題88|次の文で示す患者について最も考えられる疾患はどれか。「68歳の男性。約100m歩くと左の殿部から下腿部にかけて疼痛が生じる。しばらくしゃがんでいると症状は消失する。」 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題88|次の文で示す患者について最も考えられる疾患はどれか。「68歳の男性。約100m歩くと左の殿部から下腿部にかけて疼痛が生じる。しばらくしゃがんでいると症状は消失する。」
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