学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ F. 脊椎疾患 / Q0740

理由で解く 臨床医学各論

Q0740 整形外科疾患

出典:あマ指 第1回(1993) 問題86
問題
ラセーグ試験が陽性になる疾患はどれか。
選択肢
1 胸椎後縦靭帯骨化症
2 胸椎黄色靭帯骨化症
3 第5-6 頸椎間椎間板ヘルニア
4 第4-5 腰椎間椎間板ヘルニア
解答
正解4(第4-5腰椎間椎間板ヘルニア)
解説
✗ 1. 誤り
胸椎後縦靭帯骨化症
胸椎後縦靱帯骨化症(Th-OPLL)は胸髄の圧迫を起こし、下肢の痙性麻痺・感覚障害・膀胱直腸障害などの脊髄症状を呈する。坐骨神経の伸張には関与しないためラセーグ試験は陰性である。ラセーグ試験は腰椎神経根障害の検査であり、胸髄障害には適用されない。
✗ 2. 誤り
胸椎黄色靭帯骨化症
胸椎黄色靱帯骨化症(Th-OLF)も胸髄圧迫による下肢痙性麻痺・しびれ・歩行障害を起こすが、これは上位運動ニューロン障害(脊髄障害)であり、坐骨神経の伸張とは無関係である。ラセーグ試験は陰性である。
✗ 3. 誤り
第5-6 頸椎間椎間板ヘルニア
第5-6頸椎間椎間板ヘルニア(C5/6椎間板ヘルニア)はC6神経根障害を起こし、上腕外側のしびれ・疼痛、上腕二頭筋の筋力低下、上腕二頭筋腱反射の減弱などの上肢症状が主体となる。下肢の坐骨神経は関与しないため、ラセーグ試験は陰性である。
✓ 4. 正しい
第4-5 腰椎間椎間板ヘルニア
第4-5腰椎間椎間板ヘルニア(L4/5椎間板ヘルニア)ではL5神経根が圧迫され、ラセーグ試験(Lasegue test、SLRテスト)が陽性となる。仰臥位で患側の下肢を膝伸展位のまま挙上し、坐骨神経(L4〜S3)を伸張させることで神経根圧迫による放散痛を誘発する検査である。通常70度以下の挙上で下肢後面に放散痛が誘発されれば陽性と判定する。
ポイント
  • ラセーグ試験(SLRテスト)は仰臥位で下肢を伸展挙上し坐骨神経を伸張する検査で、腰椎椎間板ヘルニア(L4/5、L5/S1)で陽性となる
  • 胸椎の靱帯骨化症は脊髄障害(上位運動ニューロン障害)であり、ラセーグ試験の対象とならない
  • 頸椎椎間板ヘルニアは上肢症状が主であり、下肢の坐骨神経とは無関係である
  • 重要用語: ラセーグ試験(SLRテスト)と腰椎神経根障害の関係 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 障害部位 ラセーグ試験 主な症状
胸椎後縦靱帯骨化症 胸髄(上位運動ニューロン) 陰性 下肢痙性麻痺
胸椎黄色靱帯骨化症 胸髄(上位運動ニューロン) 陰性 下肢痙性麻痺
頸椎椎間板ヘルニア 頸髄神経根(上肢) 陰性 上肢しびれ・筋力低下
腰椎椎間板ヘルニア 腰髄神経根(下肢) 陽性 坐骨神経痛
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題86|ラセーグ試験が陽性になる疾患はどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題86|ラセーグ試験が陽性になる疾患はどれか。
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