学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ D. 筋・腱疾患 / Q0698

理由で解く 臨床医学各論

Q0698 整形外科疾患

出典:あマ指 第25回(2017) 問題57
問題
手の腱鞘炎について正しいのはどれか。
選択肢
1 1 回の外力により起こる。
2 ドケルバン病は手関節橈側に起こる。
3 槌指の原因である。
4 局所の発赤を認める。
解答
正解2(ドケルバン病は手関節橈側に起こる。)
解説
✗ 1. 誤り
1 回の外力により起こる。
腱鞘炎は1回の外力(急性外傷)ではなく、反復する動作による慢性的な機械的刺激(オーバーユース)で起こる。手指や手関節の繰り返し使用が腱と腱鞘の摩擦を増大させ、炎症を引き起こす。手作業の多い職業やスポーツ選手に好発する。
✓ 2. 正しい
ドケルバン病は手関節橈側に起こる。
ドケルバン(de Quervain)病は手関節橈側の橈骨茎状突起部における狭窄性腱鞘炎であり、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が通る第1背側区画の腱鞘に炎症が生じる。手の使用頻度の高い中年以降の女性や妊娠後期・出産直後の女性に好発する。フィンケルシュタインテストが特異的な診断法である。
✗ 3. 誤り
槌指の原因である。
槌指(マレットフィンガー)は指の伸筋腱の終止部断裂や末節骨の裂離骨折が原因であり、腱鞘炎が原因ではない。ボールが指先に当たるなどの外傷で生じるDIP関節の伸展不能(屈曲変形)であり、腱鞘炎とは発生機序が根本的に異なる。
✗ 4. 誤り
局所の発赤を認める。
局所の発赤は化膿性腱鞘炎(細菌感染による腱鞘炎)でみられる所見であり、非感染性の狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病やばね指)では通常、発赤は認めない。狭窄性腱鞘炎では圧痛と腫脹が主な所見である。
ポイント
  • ドケルバン病は手関節橈側(母指側)の狭窄性腱鞘炎であり、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱の腱鞘に生じる
  • 腱鞘炎は反復動作で生じ(1回の外力ではない)、槌指の原因ではない(槌指は伸筋腱断裂による)
  • 狭窄性腱鞘炎では局所の発赤は通常みられず、発赤は化膿性腱鞘炎の所見である
  • 重要用語: ドケルバン病、フィンケルシュタインテスト を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 発生機序 主な所見
狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病・ばね指) 反復動作(オーバーユース) 圧痛・腫脹(発赤なし)
化膿性腱鞘炎 細菌感染 発赤・腫脹・疼痛・運動時痛(Kanavel徴候)
槌指(マレットフィンガー) 外傷(伸筋腱断裂・裂離骨折) DIP関節の屈曲変形(伸展不能)
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題57|手の腱鞘炎について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題57|手の腱鞘炎について正しいのはどれか。
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