学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ C. 骨代謝性疾患・骨腫瘍 / Q0690

理由で解く 臨床医学各論

Q0690 整形外科疾患

出典:あマ指 第31回(2023) 問題50
問題
高齢者の非外傷性骨折で多い部位はどれか。
選択肢
1 上腕骨近位部
2 橈骨遠位部
3 胸腰椎移行部
4 大腿骨近位部
解答
正解3(胸腰椎移行部)
解説
✗ 1. 誤り
上腕骨近位部
上腕骨近位部骨折は高齢者の骨粗鬆症に伴う四大骨折の一つであるが、転倒時に手や肩を打撲する外傷を契機とすることが多い。明らかな外傷なく生じる非外傷性骨折としては椎体圧迫骨折が最も多く、上腕骨近位部は非外傷性骨折の代表的部位ではない。
✗ 2. 誤り
橈骨遠位部
橈骨遠位部骨折(コレス骨折など)は骨粗鬆症に伴う好発骨折の一つであるが、転倒時に手をついて受傷する外傷性骨折であることがほとんどである。非外傷性骨折(明らかな外傷なく生じる脆弱性骨折)としての頻度は椎体に比べて低い。
✓ 3. 正しい
胸腰椎移行部
高齢者の非外傷性骨折(脆弱性骨折)で最も多い部位は胸腰椎移行部(Th12〜L2付近)の椎体圧迫骨折である。骨粗鬆症による椎体の脆弱化により、明らかな外傷がなくても日常動作(重い荷物を持つ、くしゃみ、体位変換など)で圧迫骨折が生じる。「いつのまにか骨折」とも呼ばれ、自覚症状なく進行していることも少なくない。
✗ 4. 誤り
大腿骨近位部
大腿骨近位部骨折は高齢者の重大な骨折であり寝たきりの主要原因となるが、転倒を契機として生じる外傷性骨折であることが多い。非外傷性骨折としての頻度では椎体圧迫骨折のほうが明らかに高い。
ポイント
  • 高齢者の非外傷性骨折で最も多いのは胸腰椎移行部(Th12〜L2)の椎体圧迫骨折であり、「いつのまにか骨折」として知られる
  • 骨粗鬆症の四大骨折(椎体・大腿骨近位部・橈骨遠位端・上腕骨近位端)のうち、非外傷性に生じやすいのは椎体圧迫骨折が突出している
  • 大腿骨近位部骨折や橈骨遠位端骨折は転倒という外傷を契機に生じることが多く、非外傷性骨折とは区別する
  • 重要用語: 非外傷性骨折と椎体圧迫骨折 を正確に理解しておくこと。
比較表
骨折部位 非外傷性/外傷性 受傷機転
胸腰椎移行部(椎体) 非外傷性が最多 日常動作・くしゃみ等
大腿骨近位部 主に外傷性 転倒(大転子部打撲)
橈骨遠位端 主に外傷性 転倒時に手をつく
上腕骨近位端 主に外傷性 転倒時に肩を打撲
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題50|高齢者の非外傷性骨折で多い部位はどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題50|高齢者の非外傷性骨折で多い部位はどれか。
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