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理由で解く 臨床医学各論

Q0631 整形外科疾患

出典:あマ指 第15回(2007) 問題74
問題
「60歳の女性。生来健康で病気や外傷の既往はない。3ヶ月前から右膝の疼痛と腫脹に気付く。膝の完全屈曲がやや困難。」最も起こりにくいのはどれか。
選択肢
1 歩行開始時の疼痛
2 膝蓋跳動
3 膝関節の内反変形
4 下肢の脚長差
解答
正解4(下肢の脚長差)
解説
✗ 1.
歩行開始時の疼痛
✗ 正しい。変形性膝関節症では運動開始時痛(starting pain)が典型的な初期症状である。疼痛は椅子から立ち上がるなどの運動開始時に多い。歩き始めに痛みが出て、しばらく歩くと軽減する傾向がある。
✗ 2.
膝蓋跳動
✗ 正しい。変形性膝関節症では関節液の貯留がみられ、膝蓋跳動(膝蓋骨の浮動感)が陽性となる。関節液が貯留し膝蓋骨の浮動感を認める。膝蓋骨を押すと浮き上がるように動くのが特徴である。
✗ 3.
膝関節の内反変形
✗ 正しい。変形性膝関節症では内側関節裂隙の狭小化に伴い内反変形(O脚)をきたしやすい。関節の変形は内反変形でO脚を呈することが多い。
✓ 4. 誤り
下肢の脚長差
下肢の脚長差は変形性膝関節症単独では起こりにくい。脚長差は先天性股関節脱臼、大腿骨頸部骨折後、変形性股関節症の進行例など、主に股関節疾患で認められる所見である。膝関節の変形性関節症では関節面の変形や内反・外反変形は生じるが、下肢全体の長さに差が出ることは通常ない。
ポイント
  • 60歳女性・既往なし・膝痛と腫脹→一次性変形性膝関節症が最も考えられる。
  • 歩行開始時痛・膝蓋跳動・内反変形は変形性膝関節症の典型所見である。
  • 脚長差は股関節疾患の所見であり、膝関節疾患単独では起こりにくい。
  • 重要用語: 変形性膝関節症, 歩行開始時痛, 膝蓋跳動, 内反変形, 脚長差 を正確に理解しておくこと。
比較表
変形性膝関節症の所見 出現頻度 説明
歩行開始時痛 高い 初期症状として最も特徴的
膝蓋跳動 高い 関節液貯留による
内反変形(O脚) 高い 内側関節裂隙の狭小化
脚長差 低い 股関節疾患の所見
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題74|「60歳の女性。生来健康で病気や外傷の既往はない。3ヶ月前から右膝の疼痛と腫脹に気付く。膝の完全屈曲がやや困難。」最も起こりにくいのはどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題74|「60歳の女性。生来健康で病気や外傷の既往はない。3ヶ月前から右膝の疼痛と腫脹に気付く。膝の完全屈曲がやや困難。」最も起こりにくいのはどれか。
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