学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ B. 関節疾患 / Q0627

理由で解く 臨床医学各論

Q0627 整形外科疾患

出典:あマ指 第12回(2004) 問題89
問題
いわゆる五十肩で誤っている記述はどれか。
選択肢
1 帯を結ぶ動作が困難となる。
2 肩甲帯筋の廃用性萎縮がみられる。
3 肩関節腔は拡大している。
4 痛みは寒冷時に増悪する。
解答
正解3(肩関節腔は拡大している。)
解説
✗ 1.
帯を結ぶ動作が困難となる。
✗ 正しい。結帯動作(背中に手を回して帯を結ぶ動作=肩関節の外転と内旋の組み合わせ)は五十肩で制限される代表的動作である。「帯を結ぶ」動作すなわち肩関節の外転と内旋運動の組み合わせで著しい運動制限がある。
✗ 2.
肩甲帯筋の廃用性萎縮がみられる。
✗ 正しい。疼痛による肩関節の不動化が長期に及ぶと、三角筋・棘上筋・棘下筋などの肩甲帯筋に廃用性萎縮が生じる。拘縮期から回復期にかけての筋力訓練が重要であり、放置すると回復の遅延につながる。
✓ 3. 誤り
肩関節腔は拡大している。
五十肩(肩関節周囲炎)では関節包の炎症→線維化→癒着により関節腔は狭小化する。「拡大している」は明らかな誤りである。関節造影では関節腔容積の著しい縮小が確認される。関節腔が拡大するのは関節液貯留(関節水腫)を伴う他疾患であり、五十肩では逆の変化が起こる。
✗ 4.
痛みは寒冷時に増悪する。
✗ 正しい。五十肩の痛みは寒冷刺激により増悪する。疼痛は寒冷によって増悪し、また、夜間に強くなる傾向がある。この特性が温熱療法の有効性の根拠となっている。
ポイント
  • 五十肩では関節腔は「狭小化」であり「拡大」ではない。この点は繰り返し出題される頻出事項である。
  • 結帯動作困難・廃用性筋萎縮・寒冷時増悪はいずれも五十肩の典型的所見であり正しい記述である。
  • 関節包の炎症→線維化→癒着という病態の進行を理解しておくと関節腔狭小化を正しく判断できる。
  • 重要用語: 関節腔狭小化, 結帯動作, 廃用性萎縮, 寒冷時増悪 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 五十肩 関節水腫(他疾患)
関節腔 狭小化(癒着・線維化) 拡大(関節液貯留)
関節包 肥厚・癒着 伸展・膨隆
関節造影 造影剤の充填量減少 造影剤の充填量増大
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題89|いわゆる五十肩で誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題89|いわゆる五十肩で誤っている記述はどれか。
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