学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ B. 脂質代謝異常 / Q0572

理由で解く 臨床医学各論

Q0572 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題72
問題
代謝疾患について誤っている組み合わせはどれか。
選択肢
1 高尿酸血症 ― 腎不全
2 高コレステロール血症 ― 急性膵炎
3 糖尿病 ― 起立性低血圧
4 肥満症 ― 睡眠時無呼吸症候群
解答
正解2(高コレステロール血症-急性膵炎)
解説
✗ 1.
高尿酸血症 ― 腎不全
✗ 正しい。高尿酸血症では尿酸塩が腎臓の尿細管や間質に沈着して痛風腎を引き起こし、進行すると慢性腎不全に至る。また尿酸結石による尿路閉塞も腎機能障害の原因となるため、高尿酸血症と腎不全の関連は正しい。
✓ 2. 誤り
高コレステロール血症 ― 急性膵炎
急性膵炎と関連するのは高コレステロール血症ではなく、高トリグリセリド血症(高中性脂肪血症)である。トリグリセリドが著明に上昇(特に1000mg/dL以上)すると、膵リパーゼにより遊離脂肪酸が過剰に産生され、膵臓の微小循環障害と膵実質の壊死を引き起こして急性膵炎を発症する。高コレステロール血症は動脈硬化の危険因子であるが、急性膵炎の原因とはならない。
✗ 3.
糖尿病 ― 起立性低血圧
✗ 正しい。糖尿病では長期の高血糖により自律神経障害(糖尿病性神経障害の一つ)が生じ、血管運動神経の機能が低下する。その結果、起立時に正常な血管収縮反応が起こらず、起立性低血圧(立ちくらみ、失神)を呈する。
✗ 4.
肥満症 ― 睡眠時無呼吸症候群
✗ 正しい。肥満症では頸部・咽頭周囲への脂肪沈着により上気道が狭窄し、睡眠中に気道閉塞が繰り返される閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)を高頻度に合併する。肥満はOSASの最大のリスク因子である。
ポイント
  • 急性膵炎の原因として頻度が高いのはアルコール多飲と胆石であり、高トリグリセリド血症も重要な原因となる。高コレステロール血症との混同に注意。
  • 糖尿病の自律神経障害は起立性低血圧、排尿障害、便秘・下痢、無痛性心筋梗塞など多彩な症状を呈する。
  • 重要用語: 高トリグリセリド血症、急性膵炎、高コレステロール血症、自律神経障害、睡眠時無呼吸症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
代謝疾患 関連する合併症・病態 機序
高尿酸血症 腎不全(痛風腎) 尿酸塩の腎沈着
高トリグリセリド血症 急性膵炎 遊離脂肪酸による膵障害
高コレステロール血症 動脈硬化 LDL沈着→粥腫形成
糖尿病 起立性低血圧 自律神経障害
肥満症 睡眠時無呼吸症候群 上気道狭窄
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題72|代謝疾患について誤っている組み合わせはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題72|代謝疾患について誤っている組み合わせはどれか。
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