学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0559

理由で解く 臨床医学各論

Q0559 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第31回(2023) 問題80
問題
「60歳の男性。最近過食するようになり、倦怠感、多飲、多尿を認める。空腹時血糖 134mg/dL、HbA1c 6.7%。」合併症として起こりにくいのはどれか。
選択肢
1 網膜症
2 腎障害
3 出血傾向
4 末梢神経障害
解答
正解3(出血傾向)
解説
✗ 1.
網膜症
✗ 正しい。糖尿病性網膜症は三大合併症(細小血管障害)の一つである。高血糖により網膜毛細血管が障害され、毛細血管瘤・硬性白斑・新生血管が出現し、進行すると硝子体出血や網膜剥離を起こして失明に至る。わが国の成人中途失明原因の上位を占める。
✗ 2.
腎障害
✗ 正しい。糖尿病性腎症も三大合併症の一つである。糸球体の細小血管が障害されて結節性糸球体硬化症(Kimmelstiel-Wilson病変)を生じ、微量アルブミン尿→顕性蛋白尿→腎不全へと進行する。わが国の新規透析導入原因の第1位である。
✓ 3. 誤り
出血傾向
出血傾向は糖尿病の典型的な合併症ではない。糖尿病では高血糖・インスリン抵抗性により血小板凝集能の亢進や凝固因子の活性化が生じ、むしろ血栓傾向(過凝固状態)となる。そのため動脈硬化に伴う脳梗塞・心筋梗塞のリスクが上昇する。
✗ 4.
末梢神経障害
✗ 正しい。糖尿病性神経障害は三大合併症の一つで、最も早期に出現しやすい。四肢末梢のしびれ・感覚低下(手袋靴下型)が特徴で、自律神経障害(起立性低血圧、排尿障害など)も合併する。
ポイント
  • 糖尿病の三大合併症(細小血管障害)は網膜症・腎症・神経障害である。覚え方は「し(神経)・め(目)・じ(腎臓)」。
  • 糖尿病では出血傾向ではなく血栓傾向がみられる点は頻出の引っかけポイントである。
  • 重要用語: 糖尿病三大合併症、細小血管障害、血栓傾向、Kimmelstiel-Wilson病変 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題80|「60歳の男性。最近過食するようになり、倦怠感、多飲、多尿を認める。空腹時血糖 134mg/dL、HbA1c 6.7%。」合併症として起こりにくいのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題80|「60歳の男性。最近過食するようになり、倦怠感、多飲、多尿を認める。空腹時血糖 134mg/dL、HbA1c 6.7%。」合併症として起こりにくいのはどれか。
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