学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0541

理由で解く 臨床医学各論

Q0541 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第13回(2005) 問題77
問題
2型糖尿病について正しい記述はどれか。
選択肢
1 原因にはウイルス感染がある。
2 膵臓の細胞に対する自己抗体がみられる。
3 家族に糖尿病を有する率が高い。
4 やせ型の若年者に多い。
解答
正解3(家族に糖尿病を有する率が高い)
解説
✗ 1. 誤り
原因にはウイルス感染がある。
ウイルス感染が発症の引き金となるのは1型糖尿病であり、2型糖尿病ではない。1型糖尿病ではコクサッキーウイルスB群、ムンプスウイルス、風疹ウイルスなどの感染が分子相同性(ウイルス抗原と膵β細胞抗原の類似性)を介して自己免疫反応を誘発し、膵β細胞が破壊される。2型糖尿病の発症には遺伝的素因と環境因子(過食・運動不足・肥満・加齢・ストレス)が関与し、ウイルス感染は原因に含まれない。
✗ 2. 誤り
膵臓の細胞に対する自己抗体がみられる。
膵β細胞に対する自己抗体(抗GAD抗体、抗IA-2抗体、抗インスリン抗体、抗ZnT8抗体など)がみられるのは1型糖尿病の特徴である。1型糖尿病は自己免疫疾患であり、これらの自己抗体により膵β細胞が進行性に破壊されインスリン分泌が絶対的に欠乏する。2型糖尿病ではこれらの自己抗体は陰性であり、鑑別に有用である。
✓ 3. 正しい
家族に糖尿病を有する率が高い。
2型糖尿病は多因子遺伝疾患であり、複数の疾患感受性遺伝子と環境因子の相互作用で発症する。家族歴は最も重要な危険因子の一つであり、両親がともに2型糖尿病の場合、子供の発症率は約50%に達する。片親のみの場合でも約25〜30%の発症率がある。一卵性双生児の一致率は約80〜90%と極めて高く、遺伝的要因の関与が強いことを示している。わが国の糖尿病の約95%が2型である。
✗ 4. 誤り
やせ型の若年者に多い。
やせ型の若年者に多いのは1型糖尿病であり、2型糖尿病ではない。2型糖尿病は肥満傾向のある中高年(40歳以上)に好発する。内臓脂肪蓄積によるインスリン抵抗性の増大が発症の重要な要因である。ただし近年は食生活の欧米化や運動不足により若年者の2型糖尿病も増加傾向にあるが、その場合も肥満を伴うことが多い。
ポイント
  • 1型と2型の鑑別は国試最頻出テーマの一つ。全ての選択肢が1型の特徴(ウイルス感染・自己抗体・やせ型若年者)を述べており、2型の特徴(家族歴・遺伝的素因が強い)を正しく選ぶ問題。
  • 2型糖尿病の家族集積性は非常に高い:一卵性双生児の一致率約80〜90%。これは1型(一致率約30〜50%)と比較しても遺伝的要因の寄与がより大きいことを意味する。
  • 重要用語: 1型糖尿病、2型糖尿病、多因子遺伝、家族歴、インスリン抵抗性 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 1型糖尿病 2型糖尿病
発症機序 自己免疫による膵β細胞破壊 インスリン抵抗性+分泌低下
好発年齢 若年(小児〜青年期) 中高年(40歳以上)
体型 やせ型 肥満型
家族歴 弱い(一致率30〜50%) 強い(一致率80〜90%)
自己抗体 陽性(抗GAD抗体など) 陰性
ウイルス感染 誘因となりうる 関係なし
頻度(日本) 約5% 約95%
治療の基本 インスリン補充(必須) 食事・運動療法→経口薬→インスリン
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題77|2型糖尿病について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題77|2型糖尿病について正しい記述はどれか。
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