学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0535

理由で解く 臨床医学各論

Q0535 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第6回(1998) 問題95
問題
糖尿病の合併症でないのはどれか。
選択肢
1 緑内障
2 壊疽
3 末梢神経障害
4 腎症
解答
正解1(緑内障)
解説
✓ 1. 誤り
緑内障
緑内障は眼圧上昇により視神経が障害され視野狭窄・視力低下を来す疾患であり、糖尿病の三大合併症には含まれない。原発性緑内障(開放隅角型・閉塞隅角型)は加齢や房水排出障害が主な原因であり、糖尿病の細小血管障害とは発症機序が異なる。糖尿病の眼合併症は網膜の細小血管障害による「糖尿病性網膜症」である。ただし、増殖網膜症で新生血管が虹彩・隅角に生じた場合に血管新生緑内障を二次的に合併することがあるが、これは網膜症の進行に伴う続発性の病態であり、原発性緑内障とは区別される。
✗ 2.
壊疽
✗ 正しい。壊疽は糖尿病の重要な合併症である。末梢動脈の動脈硬化(大血管障害)による虚血と、末梢神経障害による感覚鈍麻(痛みに気づかない)、さらに高血糖による易感染性が加わって、足趾などに壊疽を生じる。この病態を「糖尿病性足病変(diabetic foot)」と総称し、重症例では下肢切断に至ることもある。毎日の足の観察(フットケア)が予防に重要である。
✗ 3.
末梢神経障害
✗ 正しい。末梢神経障害は糖尿病三大合併症の一つであり、最も早期に出現する。高血糖によるソルビトール蓄積と微小血管障害により末梢神経が障害され、左右対称性の手袋靴下型感覚障害(しびれ・疼痛・感覚鈍麻)や自律神経障害(起立性低血圧・便秘・下痢・排尿障害・勃起障害・発汗異常)を呈する。
✗ 4.
腎症
✗ 正しい。糖尿病性腎症は糖尿病三大合併症の一つであり、わが国の透析導入原因の第1位(約40%)を占める。高血糖による糸球体の細小血管障害により、微量アルブミン尿→顕性蛋白尿→ネフローゼ→腎不全と進行する。血糖・血圧コントロールとたんぱく質制限食が進展抑制に重要である。
ポイント
  • 緑内障と糖尿病性網膜症の違いを明確に区別する:緑内障は眼圧上昇による視神経障害(視野狭窄が主症状)、糖尿病性網膜症は網膜の細小血管障害(視力低下・失明が主症状)。
  • 糖尿病性足病変は大血管障害(虚血)+神経障害(感覚鈍麻)+易感染性の3要素が重なって発症する。フットケア教育が予防の柱。
  • 重要用語: 緑内障、糖尿病性網膜症、糖尿病性足病変、末梢神経障害、糖尿病性腎症 を正確に理解しておくこと。
比較表
眼疾患 病態 主な症状 糖尿病との関連
糖尿病性網膜症 網膜細小血管障害 視力低下、失明 三大合併症
緑内障 眼圧上昇→視神経障害 視野狭窄 原発性は関連なし
白内障 水晶体混濁 視力低下(霧視) 糖尿病で早期発症あり
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題95|糖尿病の合併症でないのはどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題95|糖尿病の合併症でないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手