学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0532

理由で解く 臨床医学各論

Q0532 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題74
問題
糖尿病と関係のないのはどれか。
選択肢
1 遺伝的素因
2 プリン代謝異常
3 多尿
4 タンパク尿
解答
正解2(プリン代謝異常)
解説
✗ 1.
遺伝的素因
✗ 正しい。糖尿病には遺伝的素因が強く関与する。特に2型糖尿病は多因子遺伝疾患であり、複数の遺伝子多型と環境因子(過食・運動不足・肥満・ストレス)の相互作用で発症する。家族歴は重要な危険因子であり、両親がともに2型糖尿病の場合、子供の発症率は約50%に達する。1型糖尿病でもHLA(ヒト白血球抗原)DR4やDR3との関連が知られている。
✓ 2. 誤り
プリン代謝異常
プリン代謝異常は痛風(高尿酸血症)の原因であり、糖尿病(糖代謝異常)とは代謝経路が異なる別の疾患である。プリン体は核酸(DNA・RNA)の構成成分であり、その最終代謝産物である尿酸が過剰に蓄積すると高尿酸血症となる。尿酸ナトリウム結晶が関節に沈着して痛風発作(急性関節炎)を起こす。糖尿病は糖代謝の異常であり、プリン代謝(核酸代謝)とは病態が根本的に異なる。
✗ 3.
多尿
✗ 正しい。多尿は糖尿病の三主徴(多尿・多飲・多食)の一つであり、糖尿病と密接に関係する。血糖値が腎の糖再吸収閾値(約160〜180mg/dl)を超えると尿中にグルコースが排泄され、尿細管内の浸透圧が上昇して水分の再吸収が阻害される(浸透圧利尿)。1日3〜4L以上の多尿となることもある。
✗ 4.
タンパク尿
✗ 正しい。蛋白尿は糖尿病性腎症の重要な所見であり、糖尿病と密接に関係する。高血糖による糸球体の細小血管障害が進行すると、糸球体基底膜の透過性が亢進し、まず微量アルブミン尿(30〜300mg/日)が出現し、さらに顕性蛋白尿(300mg/日以上)へ進行する。最終的には腎不全に至り、わが国の透析導入原因の第1位を占める。
ポイント
  • 代謝疾患はそれぞれ異なる代謝経路の異常として分類される:糖代謝異常(糖尿病)、脂質代謝異常(脂質異常症)、プリン代謝異常(痛風・高尿酸血症)。混同しないこと。
  • 糖尿病性腎症の進展段階:正常→微量アルブミン尿(早期腎症)→顕性蛋白尿→ネフローゼ→腎不全→透析導入。早期発見のため微量アルブミン尿検査が重要。
  • 重要用語: プリン代謝異常、痛風、糖代謝異常、浸透圧利尿、糖尿病性腎症 を正確に理解しておくこと。
比較表
代謝疾患 異常な代謝経路 代表的疾患 主な病態
糖代謝異常 糖質(ブドウ糖)代謝 糖尿病 インスリン作用不足→高血糖
脂質代謝異常 脂質(コレステロール等)代謝 脂質異常症 LDL上昇→動脈硬化
プリン代謝異常 核酸(プリン体)代謝 痛風 尿酸蓄積→関節炎
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題74|糖尿病と関係のないのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題74|糖尿病と関係のないのはどれか。
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