学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0530

理由で解く 臨床医学各論

Q0530 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第2回(1994) 問題94
問題
末梢神経炎の原因となる疾患はどれか。
選択肢
1 脳梗塞
2 心筋梗塞
3 糖尿病
4 慢性肝炎
解答
正解3(糖尿病)
解説
✗ 1. 誤り
脳梗塞
脳梗塞は脳動脈の閉塞により脳組織が壊死する疾患であり、中枢神経系(脳・脊髄)の障害である。片麻痺・失語・意識障害などの中枢神経症状を呈するが、末梢神経炎の原因とはならない。脳梗塞と糖尿病はともに動脈硬化と関連するが、脳梗塞自体が末梢神経を障害することはない。
✗ 2. 誤り
心筋梗塞
心筋梗塞は冠動脈の閉塞により心筋が壊死する疾患であり、胸痛・ショック・不整脈などの心症状を呈する。心臓の病変であり、末梢神経の障害を来す病態ではない。糖尿病の大血管障害として心筋梗塞を合併しやすいが、心筋梗塞自体が末梢神経炎の原因となることはない。
✓ 3. 正しい
糖尿病
糖尿病は末梢神経障害(糖尿病性ニューロパチー)を来す代表的疾患である。高血糖状態が持続すると、ポリオール代謝経路の亢進によりソルビトールが神経細胞内に蓄積し、浸透圧上昇による細胞障害が起こる。さらに微小血管障害(vasa nervorum の虚血)が加わって末梢神経が障害される。両側性・左右対称性の手袋靴下型分布を示す感覚障害(しびれ・疼痛・感覚鈍麻)が特徴的であり、糖尿病三大合併症の中で最も早期に出現する。
✗ 4. 誤り
慢性肝炎
慢性肝炎はB型・C型肝炎ウイルスなどによる肝臓の慢性炎症であり、肝機能障害(AST・ALT上昇)を主体とする。直接的に末梢神経炎の原因となることは通常ない。ただし、重症肝硬変に進行した場合はビタミンB群の吸収・貯蔵障害を介して二次的に末梢神経障害を来すことがある。
ポイント
  • 糖尿病性神経障害は末梢神経障害の代表的な原因疾患であり、三大合併症の中で最も早期に出現する。三大合併症の出現順は「し・め・じ」(神経障害→網膜症→腎症)と覚える。
  • 中枢神経障害と末梢神経障害を混同しない:脳梗塞は中枢神経障害(片麻痺・失語など一側性)、糖尿病性ニューロパチーは末梢神経障害(両側対称性のしびれ・感覚鈍麻)。
  • 重要用語: 糖尿病性神経障害、末梢神経炎、ソルビトール、手袋靴下型分布、三大合併症 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題94|末梢神経炎の原因となる疾患はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題94|末梢神経炎の原因となる疾患はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手