学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ C. 副腎疾患 / Q0523

理由で解く 臨床医学各論

Q0523 内分泌疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題58
問題
不眠がみられにくいのはどれか。
選択肢
1 褐色細胞腫
2 アジソン病
3 クッシング症候群
4 バセドウ病
解答
正解2(アジソン病)
解説
✗ 1.
褐色細胞腫
✗ 正しい。褐色細胞腫ではカテコールアミン過剰により交感神経が持続的に刺激されるため、不眠・動悸・不安感がみられる。 夜間の発作的な血圧上昇・頻脈・発汗により睡眠が障害されることも多い。 カテコールアミンは中枢神経の覚醒系も刺激するため、入眠困難・中途覚醒の原因となる。
✓ 2. 誤り
アジソン病
アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)ではコルチゾール低下により全身の活動性が低下する。 不眠ではなく、むしろ倦怠感・易疲労感・傾眠傾向がみられ、活動量の低下が特徴的である。 コルチゾールは覚醒を促進するホルモンであり、正常では朝に分泌がピークとなって覚醒を促す。その低下により眠気が優位となり、不眠とは逆の状態を示す。
✗ 3.
クッシング症候群
✗ 正しい。クッシング症候群ではコルチゾール過剰により精神症状(不安・抑うつ・易刺激性)がみられ、不眠を伴うことが多い。 コルチゾールの正常な日内変動が消失し、夜間もコルチゾールが高値を維持するため睡眠が障害される。 精神症状は約50-80%の患者にみられる。
✗ 4.
バセドウ病
✗ 正しい。バセドウ病では甲状腺ホルモン過剰により全身の代謝が亢進し、交感神経が刺激される。 不眠・動悸・振戦・体重減少が主要症状であり、甲状腺ホルモンは中枢神経の興奮性を高めるため不眠はよくみられる。 易刺激性・落ち着きのなさなどの精神症状も伴う。
ポイント
  • 不眠をきたす疾患は交感神経刺激(褐色細胞腫)・コルチゾール過剰(クッシング症候群)・甲状腺ホルモン過剰(バセドウ病)など、いずれもホルモン過剰・代謝亢進状態である
  • アジソン病はホルモン低下により活動性が低下し、不眠ではなく傾眠・倦怠が特徴。コルチゾールの覚醒促進作用が失われることで説明できる
  • 内分泌疾患における精神症状は見落とされやすいが、ホルモン過剰・低下いずれの場合も出現しうるため、鑑別診断で重要である
  • 重要用語: アジソン病, 倦怠感, 傾眠傾向, コルチゾール低下, 覚醒促進作用 を正確に理解しておくこと
比較表
疾患 不眠 機序
褐色細胞腫 あり カテコールアミンによる交感神経刺激
アジソン病 なし(傾眠) コルチゾール低下による活動性低下
クッシング症候群 あり コルチゾール過剰・日内変動消失
バセドウ病 あり 甲状腺ホルモン過剰・代謝亢進
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題58|不眠がみられにくいのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題58|不眠がみられにくいのはどれか。
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