学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0554

理由で解く 臨床医学各論

Q0554 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題59
問題
失明の原因となるのはどれか。
選択肢
1 痛風
2 骨形成不全症
3 糖尿病
4 脂質異常症
解答
正解3(糖尿病)
解説
✗ 1. 誤り
痛風
痛風は高尿酸血症を背景とした疾患であり、主な合併症は痛風関節炎(第1中足趾節関節の激痛・腫脹)、痛風結節(尿酸塩の皮下沈着)、痛風腎(尿酸結晶沈着による腎障害)、尿路結石(尿酸結石)である。眼に対する障害は通常みられず、失明の直接的原因にはならない。
✗ 2. 誤り
骨形成不全症
骨形成不全症はI型コラーゲンの遺伝的異常による先天性疾患であり、骨の脆弱性(易骨折性)、青色強膜(強膜が薄くなり脈絡膜の色が透見される)、難聴(耳小骨の異常)が三大徴候である。青色強膜は眼の所見であるが、視力障害や失明の原因にはならない。
✓ 3. 正しい
糖尿病
糖尿病性網膜症は糖尿病の三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)の一つであり、わが国の成人中途失明原因の上位を占める重要な合併症である。高血糖の持続により網膜の細小血管が障害され、単純網膜症→増殖前網膜症→増殖網膜症と進行する。増殖網膜症では脆弱な新生血管からの硝子体出血や牽引性網膜剥離により、不可逆的な失明に至る可能性がある。
✗ 4. 誤り
脂質異常症
脂質異常症(高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症)は動脈硬化の主要危険因子であり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを上昇させる。しかし、脂質異常症そのものが直接的に失明の原因となる眼合併症を引き起こすことは通常ない。角膜輪(コレステロール沈着)や眼底動脈硬化性変化がみられることはあるが、失明には至らない。
ポイント
  • 糖尿病性網膜症はわが国の中途失明の主要原因であり、定期的な眼底検査による早期発見・早期治療(光凝固術)が極めて重要。
  • 糖尿病の三大合併症はいずれも細小血管障害:網膜症(し)・腎症(め)・神経障害(じ)→覚え方「しめじ」。
  • 各選択肢の疾患が影響を及ぼす臓器を整理して覚えること:痛風=関節・腎臓、骨形成不全症=骨・耳、脂質異常症=血管。
  • 重要用語: 糖尿病性網膜症、三大合併症、増殖網膜症、硝子体出血、中途失明 を正確に理解しておくこと。
比較表
合併症 覚え方 障害臓器 重大な帰結
糖尿病性神経障害 し(しんけい) 末梢神経 感覚低下、無痛性心筋梗塞
糖尿病性網膜症 め(め) 網膜 失明
糖尿病性腎症 じ(じんぞう) 腎臓 透析導入
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題59|失明の原因となるのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題59|失明の原因となるのはどれか。
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