学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ B. 甲状腺疾患 / Q0472

理由で解く 臨床医学各論

Q0472 内分泌疾患

出典:あマ指 第16回(2008) 問題73
問題
「35歳の女性、3か月前から前頸部腫脹、嗄声、圧痕を残さない浮腫と6kgの体重増加を認める。」この患者で摂取不足が最も考えられるのはどれか。
選択肢
1
2 亜鉛
3 プリン体
4 ヨウ素
解答
正解4(ヨウ素)
解説
✗ 1. 誤り
鉄の摂取不足は鉄欠乏性貧血の原因となる。 鉄欠乏では小球性低色素性貧血・スプーン状爪・舌炎などがみられるが、甲状腺機能低下症とは直接関連しない。
✗ 2. 誤り
亜鉛
亜鉛の摂取不足は味覚障害や皮膚炎・創傷治癒遅延の原因となる。 亜鉛は多くの酵素の補因子であるが、甲状腺ホルモン合成には直接関与しない。
✗ 3. 誤り
プリン体
プリン体は体内で尿酸に代謝される物質であり、過剰摂取は痛風の原因となる。 プリン体と甲状腺機能は無関係であり、不足が問題になることもない。
✓ 4. 正しい
ヨウ素
本症例は甲状腺機能低下症であり、ヨウ素の摂取不足が原因として最も考えられる。 甲状腺ホルモン(T3・T4)の合成にはヨウ素が必須の原料であり、ヨウ素が不足すると甲状腺ホルモンの産生が低下する。 ヨウ素不足に対して代償的にTSHが増加し、甲状腺が腫大(甲状腺腫)する。 日本では海藻類の摂取が多いためヨウ素欠乏は比較的まれだが、世界的には甲状腺機能低下症の主要な原因である。
ポイント
  • 甲状腺ホルモン(T3・T4)の合成にはヨウ素が必須であり、ヨウ素欠乏は甲状腺腫と甲状腺機能低下症をきたす。日本では橋本病が甲状腺機能低下症の最も多い原因であるが、世界的にはヨウ素欠乏が最大の原因である。
  • 重要用語: ヨウ素, 甲状腺ホルモン合成, TSH を正確に理解しておくこと。
比較表
栄養素 欠乏による主な疾患 特徴的症状
ヨウ素 甲状腺機能低下症・甲状腺腫 粘液水腫・代謝低下
鉄欠乏性貧血 スプーン状爪・舌炎
亜鉛 味覚障害・皮膚炎 創傷治癒遅延
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題73|「35歳の女性、3か月前から前頸部腫脹、嗄声、圧痕を残さない浮腫と6kgの体重増加を認める。」この患者で摂取不足が最も考えられるのはどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題73|「35歳の女性、3か月前から前頸部腫脹、嗄声、圧痕を残さない浮腫と6kgの体重増加を認める。」この患者で摂取不足が最も考えられるのはどれか。
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