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理由で解く 臨床医学各論

Q0471 内分泌疾患

出典:あマ指 第16回(2008) 問題72
問題
「35歳の女性、3か月前から前頸部腫脹、嗄声、圧痕を残さない浮腫と6kgの体重増加を認める。」この患者でみられるのはどれか。
選択肢
1 眼球突出
2 精神鈍麻
3 心房細動
4 四肢麻痺
解答
正解2(精神鈍麻)
解説
✗ 1. 誤り
眼球突出
眼球突出はバセドウ病(甲状腺機能亢進症)の特徴的所見である。 バセドウ病では眼窩後組織の炎症・浮腫により眼球が前方に突出する。本症例は甲状腺機能低下症であり、該当しない。
✓ 2. 正しい
精神鈍麻
本症例は前頸部腫脹(甲状腺腫)、嗄声、圧痕を残さない浮腫(粘液水腫)、体重増加から甲状腺機能低下症と考えられる。 甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンの不足により全身の代謝が低下し、精神鈍麻・活動性低下・記憶障害・言語緩慢などがみられる。 35歳女性という好発年齢からも橋本病(慢性甲状腺炎)による甲状腺機能低下症が最も考えられる。 粘液水腫はムコ多糖類の皮下沈着による非圧痕性浮腫で、甲状腺機能低下症に特徴的である。
✗ 3. 誤り
心房細動
心房細動は甲状腺機能亢進症に伴う頻脈性不整脈である。 甲状腺機能低下症では逆に徐脈がみられるため、心房細動は生じにくい。
✗ 4. 誤り
四肢麻痺
四肢麻痺は甲状腺機能低下症の典型的な所見ではない。 周期性四肢麻痺は甲状腺機能亢進症に合併する症状である。
ポイント
  • 「圧痕を残さない浮腫」は粘液水腫を示す重要なキーワードであり、甲状腺機能低下症を強く示唆する。甲状腺機能低下症では精神鈍麻・徐脈・体重増加・嗄声・皮膚乾燥がみられ、亢進症の眼球突出・頻脈・心房細動とは対照的である。
  • 重要用語: 粘液水腫, 甲状腺機能低下症, 橋本病 を正確に理解しておくこと。
比較表
症状 甲状腺機能低下症 甲状腺機能亢進症
精神面 精神鈍麻・無気力 易刺激性・不安
脈拍 徐脈 頻脈・心房細動
体重 増加 減少
浮腫 粘液水腫(非圧痕性) なし
特記なし 眼球突出
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題72|「35歳の女性、3か月前から前頸部腫脹、嗄声、圧痕を残さない浮腫と6kgの体重増加を認める。」この患者でみられるのはどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題72|「35歳の女性、3か月前から前頸部腫脹、嗄声、圧痕を残さない浮腫と6kgの体重増加を認める。」この患者でみられるのはどれか。
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