学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ B. 甲状腺疾患 / Q0457

理由で解く 臨床医学各論

Q0457 内分泌疾患

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題78
問題
粘液水腫について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 甲状腺機能の低下である。
2 寒がりとなる。
3 頻脈が見られる。
4 甲状腺刺激ホルモンが増加する。
解答
正解3(頻脈が見られる。)
解説
✗ 1.
甲状腺機能の低下である。
✗ 正しい。粘液水腫は成人の甲状腺機能低下症で、甲状腺ホルモンの分泌低下により代謝全般が低下した状態である。ムコ多糖類(ヒアルロン酸など)が皮下組織に沈着して圧痕を残さない硬い浮腫(non-pitting edema)を呈する。
✗ 2.
寒がりとなる。
✗ 正しい。甲状腺ホルモン低下により基礎代謝が低下し、産熱量が減少するため体温が低下し、寒がり・発汗減少がみられる。低体温も特徴的所見であり、バセドウ病の暑がりとは対照的である。
✓ 3. 誤り
頻脈が見られる。
粘液水腫(甲状腺機能低下症)では代謝低下により心拍数が減少し、徐脈が出現するのが特徴である。「頻脈」は誤りである。頻脈は甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状であり、甲状腺機能亢進と低下で脈拍の変化が逆になることを理解する。
✗ 4.
甲状腺刺激ホルモンが増加する。
✗ 正しい。原発性甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン低下に対するネガティブ・フィードバックの減弱により、下垂体から甲状腺刺激ホルモン(TSH)が代償性に増加する。血中TSH高値は原発性甲状腺機能低下症の診断において最も鋭敏な指標である。
ポイント
  • 粘液水腫の症状: 寒がり、便秘、体重増加、皮膚乾燥、硬い浮腫(non-pitting edema)、徐脈、活動性低下、嗜眠、記憶障害、嗄声
  • 甲状腺機能低下症では血中TSH高値・甲状腺ホルモン低下・総コレステロール高値がみられる
  • 先天性甲状腺機能低下症はクレチン症と呼ばれ、不均衡型低身長と知能障害を伴う
  • 重要用語: 粘液水腫, 徐脈, 寒がり, TSH高値, non-pitting edema を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 バセドウ病(亢進) 粘液水腫(低下)
脈拍 頻脈 徐脈
体温調節 暑がり、発汗増加 寒がり、発汗減少
TSH 低下 上昇
活動性 亢進 低下
コレステロール 低下傾向 上昇
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題78|粘液水腫について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題78|粘液水腫について誤っている記述はどれか。
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