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理由で解く 臨床医学各論

Q0442 腎・泌尿器疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題65
問題
前立腺肥大症について最も適切なのはどれか。
選択肢
1 PSA値が極めて高値となる。
2 直腸指診で石のように硬い前立腺を触知する。
3 夜間頻尿がみられる。
4 ホルモン補充療法が有効である。
解答
正解3(夜間頻尿がみられる)
解説
✗ 1. 誤り
PSA値が極めて高値となる。
前立腺肥大症ではPSA値は軽度に上昇することはあるが、極めて高値にはならない。PSA(前立腺特異抗原)が極めて高値(一般に10ng/mL以上、特に100ng/mL以上)となる場合は前立腺癌を強く疑う。前立腺肥大症のPSA値は通常4〜10ng/mL程度のグレーゾーンにとどまることが多い。
✗ 2. 誤り
直腸指診で石のように硬い前立腺を触知する。
直腸指診で石のように硬い前立腺を触知するのは前立腺癌の所見である。前立腺肥大症では直腸指診で前立腺は均一に腫大し、弾性軟(ゴム様硬度)で表面は平滑である。前立腺癌では不整な硬結(石様硬)を触知する。
✓ 3. 正しい
夜間頻尿がみられる。
前立腺肥大症では夜間頻尿がみられる。肥大した前立腺が尿道を圧迫することにより、排尿障害(頻尿・排尿困難・残尿感・夜間頻尿・尿線細小・排尿遅延)が出現する。特に夜間頻尿は患者のQOLを大きく低下させる症状であり、前立腺肥大症の主要な下部尿路症状の一つである。
✗ 4. 誤り
ホルモン補充療法が有効である。
前立腺肥大症にホルモン補充療法は行わない。前立腺は男性ホルモン(テストステロン)の影響で肥大するため、むしろ抗男性ホルモン薬(5α還元酵素阻害薬:デュタステリドなど)が治療に用いられる。α1遮断薬(タムスロシン等)も排尿障害の改善に有効。
ポイント
  • 前立腺肥大症は夜間頻尿・排尿困難・残尿感などの下部尿路症状をきたす
  • 直腸指診で前立腺は弾性軟に腫大(石様硬は前立腺癌を示唆)
  • PSA極高値は前立腺癌を疑う。前立腺肥大症では軽度上昇にとどまる
  • 治療はα1遮断薬や5α還元酵素阻害薬。ホルモン補充は禁忌
  • 重要用語: 夜間頻尿, 弾性軟, PSA, α1遮断薬 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 前立腺肥大症 前立腺癌
直腸指診 弾性軟、表面平滑、均一腫大 石様硬、不整な硬結
PSA 軽度上昇(4〜10ng/mL程度) 著明高値(10ng/mL以上)
主症状 排尿困難、頻尿、残尿感 初期は無症状、進行で排尿障害
治療 α1遮断薬、5α還元酵素阻害薬 手術、放射線、ホルモン療法
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題65|前立腺肥大症について最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題65|前立腺肥大症について最も適切なのはどれか。
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