学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ A. 感染性呼吸器疾患 / Q0271

理由で解く 臨床医学各論

Q0271 呼吸器疾患

出典:あマ指 第13回(2005) 問題79
問題
肺結核について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 空気感染する。
2 初回感染での発病率が高い。
3 確定診断には喀痰培養を用いる。
4 多剤耐性菌感染は難治性である。
解答
正解2(初回感染での発病率が高い)
解説
✗ 1.
空気感染する。
✗ 正しい。結核菌は飛沫核(数ミクロンの微小粒子)として空気中に長時間浮遊し、空気感染(飛沫核感染)する。患者の喀痰中の結核菌が咳とともに喀出され、空中で乾燥して数ミクロンの粒子となり、約30分間空中を漂う。これを吸い込むことで感染が成立する。
✓ 2. 誤り
初回感染での発病率が高い。
肺結核は初回感染での発病率は低く、約5%程度である。感染が成立しても、そのまま発病(一次結核症)する頻度は約5%に過ぎない。残りの約95%は無症状のまま経過し、このうち約5%が一生涯の間に免疫能低下時に発病(二次結核症)する。結局、残りの約90%は感染しても発病しないまま一生を終える。
✗ 3.
確定診断には喀痰培養を用いる。
✗ 正しい。肺結核の確定診断には喀痰の抗酸菌培養が最も確実な方法である。従来は小川培地で8週間培養していたが、最近は液体培地を用いて約2週間で検出できる。PCR法やMTD法による遺伝子診断法はさらに短期間に結果が出る。
✗ 4.
多剤耐性菌感染は難治性である。
✗ 正しい。多剤耐性結核菌(MDR-TB:イスコチンとリファンピシンの両剤に完全耐性を示す菌)は標準的な抗結核薬が無効であり、治療が困難で難治性である。米国ではAIDS患者で多剤耐性結核菌による感染が問題になっている。再発率も高く、予後不良である。
ポイント
  • 肺結核の初回感染での発病率は約5%と低く、大部分(約90%)は潜在性結核感染にとどまり発病しない。
  • 発病の大部分は免疫低下時の再活性化(二次結核)であり、初感染での発病(一次結核)は少ない。
  • 結核は空気感染(飛沫核感染)であり、確定診断は喀痰培養による結核菌の検出である。
  • 多剤耐性結核菌(INH・RFP両剤耐性)は難治性で、治療が困難である。
  • 重要用語: 空気感染、初回感染、潜在性結核感染、多剤耐性結核菌 を正確に理解しておくこと。
比較表
結核の病態 頻度 特徴
初回感染・即発病(一次結核) 約5% 感染後すぐに発病
潜在性結核感染・後発病(二次結核) 約5% 免疫低下時に再活性化
潜在性結核感染・生涯非発病 約90% 感染しても発病せず
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題79|肺結核について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題79|肺結核について誤っている記述はどれか。
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