学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ A. 感染性呼吸器疾患 / Q0268

理由で解く 臨床医学各論

Q0268 呼吸器疾患

出典:あマ指 第10回(2002) 問題96
問題
老人に特徴的な肺炎はどれか。
選択肢
1 カリニ肺炎
2 嚥下性肺炎
3 気管支肺炎
4 マイコプラズマ肺炎
解答
正解2(嚥下性肺炎)
解説
✗ 1. 誤り
カリニ肺炎
カリニ肺炎(現在はニューモシスチス肺炎と呼称)はAIDSなど重度の免疫不全状態に合併する日和見感染症である。Pneumocystis jirovecii(旧名Pneumocystis carinii)による真菌感染であり、高齢者に特有の疾患ではなく、免疫抑制状態の患者に発症する。
✓ 2. 正しい
嚥下性肺炎
嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)は高齢者に最も特徴的な肺炎である。加齢に伴う嚥下機能の低下、咳嗽反射の減弱、唾液分泌減少により、口腔内細菌を含む唾液や食物が気道に誤嚥されて発症する。高齢者肺炎の大部分を占め、しばしば繰り返す。起炎菌は嫌気性菌や口腔内常在菌が多い。
✗ 3. 誤り
気管支肺炎
気管支肺炎は年齢を問わず発症する肺炎のパターンであり、高齢者に特徴的とは言えない。気管支を中心に斑状に分布する肺炎像を示す。高齢者では嚥下性肺炎として気管支肺炎の形態をとることが多いが、嚥下性肺炎の方がより特徴的である。
✗ 4. 誤り
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は小児から若年成人(5〜35歳)に好発する異型肺炎であり、高齢者に特徴的な肺炎ではない。頑固な乾性咳嗽が特徴で、約4年周期で流行する。
ポイント
  • 高齢者では嚥下機能低下により嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)が特徴的に発生し、高齢者肺炎の主要な原因である。
  • 嚥下性肺炎は口腔内細菌の誤嚥が原因であり、嫌気性菌や口腔内常在菌による混合感染が多い。
  • カリニ肺炎は免疫不全の日和見感染、マイコプラズマ肺炎は若年者の異型肺炎である。
  • 高齢者肺炎では痰の喀出困難による呼吸不全やショック合併で重症化しやすく、死亡率が高い。
  • 重要用語: 嚥下性肺炎、誤嚥、高齢者肺炎、嚥下機能低下 を正確に理解しておくこと。
比較表
肺炎の種類 好発年齢 原因 特徴
嚥下性肺炎 高齢者 口腔内細菌の誤嚥 嚥下機能低下、繰り返す
マイコプラズマ肺炎 若年者(5〜35歳) Mycoplasma pneumoniae 乾性咳嗽、4年周期流行
カリニ肺炎 免疫不全患者 Pneumocystis jirovecii AIDS・免疫抑制の日和見感染
肺炎球菌性肺炎 全年齢(特に高齢者) 肺炎球菌 膿性痰、最も頻度が高い
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題96|老人に特徴的な肺炎はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題96|老人に特徴的な肺炎はどれか。
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