学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ A. 感染性呼吸器疾患 / Q0264

理由で解く 臨床医学各論

Q0264 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題78
問題
肺結核について正しいのはどれか。
選択肢
1 肺炎球菌の感染により発症する。
2 発熱することはない。
3 胸部エックス線検査は診断に有用である。
4 ステロイドホルモンが治療に有用である。
解答
正解3(胸部エックス線検査は診断に有用である)
解説
✗ 1. 誤り
肺炎球菌の感染により発症する。
肺結核の原因菌は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)である。肺炎球菌は市中肺炎の最も多い原因菌であり、結核菌とは異なる。結核菌は酸に抵抗性の抗酸菌であり、患者の咳とともに喀出され空中で乾燥して数ミクロンの粒子となり空中を漂って空気感染する。
✗ 2. 誤り
発熱することはない。
肺結核では微熱(37度台の持続する発熱)がみられることが多い。通常の細菌性肺炎のような高熱は認めないが、微熱とともに盗汗(寝汗)、咳嗽、喀痰、血痰、倦怠感、体重減少などがみられる。最近はこれらの症状も比較的軽い場合が多い。
✓ 3. 正しい
胸部エックス線検査は診断に有用である。
胸部X線検査は肺結核の診断に極めて有用である。肺野に浸潤影を認め、肺結核と診断される。二次結核では肺尖部に好発し、空洞形成を伴うことがある。初感染巣と肺門リンパ節腫大を認める初期変化群の所見もみられる。
✗ 4. 誤り
ステロイドホルモンが治療に有用である。
ステロイドは免疫抑制作用があり、結核を悪化・再燃させるため治療には用いられない。肺結核の標準治療はイスコチン(INH)とリファンピシン(RFP)、エサンプトール(EB)、ピラジナマイド(PZA)の抗結核薬による多剤併用療法である。INH、RFP、EB、PZAを2ヵ月服用後、INH、RFPを4ヵ月服用する方法が標準である。
ポイント
  • 胸部X線検査は肺結核診断の基本であり、肺野浸潤影・空洞形成・肺門リンパ節腫大などの特徴的所見を描出する。
  • 結核の原因は結核菌(抗酸菌)であり、肺炎球菌ではない。空気感染で伝播する。
  • 肺結核の症状は微熱・盗汗・咳嗽・喀痰・血痰・倦怠感・体重減少であり、高熱は通常認めない。
  • 治療は抗結核薬(INH・RFP・EB・PZA)の多剤併用療法が標準であり、ステロイドは免疫抑制により結核を悪化させるため禁忌である。
  • 重要用語: 肺結核、胸部X線、結核菌、抗結核薬、空洞形成 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査 目的・所見
胸部X線写真 肺野浸潤影・空洞形成の確認(診断の基本)
喀痰培養・胃液培養 結核菌の検出・同定
ツベルクリン反応 結核感染の有無(PPD皮内注射、48時間後判定)
PCR法・MTD法 結核菌DNA/RNA増幅による遺伝子診断
QuantiFERON法 インターフェロン測定による結核感染判定
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題78|肺結核について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題78|肺結核について正しいのはどれか。
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