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理由で解く 臨床医学各論

Q0246 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第15回(2007) 問題88
問題
多量の飲酒後、激しい心窩部痛と血中アミラーゼの上昇が見られた。最も考えられる疾患はどれか。
選択肢
1 イレウス
2 胃潰瘍
3 急性胆嚢炎
4 急性膵炎
解答
正解4(急性膵炎)
解説
✗ 1. 誤り
イレウス
イレウス(腸閉塞)では腹部膨満、嘔吐、排ガス・排便停止が主症状である。 血中アミラーゼが軽度上昇することはあるが、飲酒後の心窩部痛を主訴とする典型的所見ではない。 イレウスでは腹部X線で鏡面像(ニボー)が特徴的である。
✗ 2. 誤り
胃潰瘍
胃潰瘍では心窩部痛がみられるが、血中アミラーゼの上昇は特徴的所見ではない。 胃潰瘍の心窩部痛は食後に増強する特徴があり、飲酒により増悪することはあるが、アミラーゼ上昇を伴わない。 胃潰瘍の診断には上部消化管内視鏡検査が有用である。
✗ 3. 誤り
急性胆嚢炎
急性胆嚢炎では右季肋部痛が主症状であり、心窩部痛が主体となることは少ない。 アミラーゼの著明な上昇は急性膵炎ほどみられず、飲酒との直接的関連は胆嚢炎では低い。 急性胆嚢炎は高脂肪食摂取後に起こりやすい。
✓ 4. 正しい
急性膵炎
多量の飲酒後の激しい心窩部痛と血中アミラーゼの上昇は、急性膵炎の典型的な臨床像である。 アルコール多飲は急性膵炎の最大の原因(約40%)であり、膵酵素の活性化による膵の自己消化が起こる。 痛みは背部にも放散し、仰臥位で増強、座位前屈で軽減する特徴がある。 治療は絶飲食+補液が基本であり、重症例では致命率が約30%に達する。
ポイント
  • 「飲酒後の心窩部痛+血中アミラーゼ上昇」は急性膵炎を強く示唆する典型的な臨床像であり、状況設定問題として頻出である
  • 急性膵炎の二大原因はアルコール(約40%)と胆石(約20%)であり、治療は絶飲食+補液が基本となる
  • 背部痛の有無や座位前屈での軽減も急性膵炎の診断の手がかりとなる。重症例では致命率が高い
  • 重要用語: 急性膵炎, アルコール性膵炎, 血中アミラーゼ上昇, 絶飲食 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別疾患 主症状 アミラーゼ値 飲酒との関連
急性膵炎 心窩部痛+背部痛 著明に上昇 最大の原因(約40%)
胃潰瘍 心窩部痛(食後増強) 正常 増悪因子だが主因でない
急性胆嚢炎 右季肋部痛 軽度上昇のことあり 直接的関連低い
イレウス 腹部膨満、嘔吐 軽度上昇のことあり 直接的関連なし
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題88|多量の飲酒後、激しい心窩部痛と血中アミラーゼの上昇が見られた。最も考えられる疾患はどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題88|多量の飲酒後、激しい心窩部痛と血中アミラーゼの上昇が見られた。最も考えられる疾患はどれか。
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