学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0301

理由で解く 臨床医学各論

Q0301 呼吸器疾患

出典:あマ指 第15回(2007) 問題87
問題
気管支喘息について正しい記述はどれか。
選択肢
1 アレルギー性では1型が関与する。
2 発作は夜間より日中が多い。
3 吸気の延長がみられる。
4 治癒率が高い疾患である。
解答
正解1(アレルギー性では1型が関与する。)
解説
✓ 1. 正しい
アレルギー性では1型が関与する。
気管支喘息のアレルギー性(アトピー型)ではIgEを介するI型(即時型)アレルギー反応が関与する。 アレルゲン(ダニ、ほこり、カビ、ペットなど)に対してIgE抗体が産生され、肥満細胞からロイコトリエンなどの化学伝達物質が遊離される。 これにより気道平滑筋の収縮、粘膜浮腫、粘液分泌亢進が生じて気道狭窄をきたす。 小児の90%、成人の60%がアトピー性素因を有する。
✗ 2. 誤り
発作は夜間より日中が多い。
喘息発作は日中よりも夜間に多く、特に深夜から明け方に好発する。 副交感神経が優位となる夜間に気道収縮が増強し、さらにコルチゾール分泌の日内変動も関与するとされる。 「日中に多い」という記述は誤りであり、夜間悪化は気管支喘息の重要な臨床的特徴である。
✗ 3. 誤り
吸気の延長がみられる。
気管支喘息では気道狭窄により呼気の延長がみられるのであり、吸気の延長ではない。 閉塞性換気障害の特徴として、呼気時に空気を排出しにくくなる。 吸気の延長は上気道狭窄(クループ、喉頭浮腫など)の所見であり、下気道の閉塞とは区別する。
✗ 4. 誤り
治癒率が高い疾患である。
気管支喘息は完全治癒が困難な慢性疾患であり、「コントロールする疾患」と位置づけられている。 ステロイド吸入を中心とした長期管理により発作の予防が可能であるが、自己判断による服薬中止は重篤な発作や死亡の原因となりうる。 治癒率が高いという記述は明確な誤りである。
ポイント
  • 気管支喘息のアトピー型はIgEを介するI型アレルギーが関与し、即時型喘息反応(10分後~3時間以内に消失)と遅延型喘息反応(4~6時間後~24時間以内に消失)がみられる。
  • 喘息発作は夜間に多く、呼気の延長が特徴であり、完全治癒は困難で長期管理が必要な慢性疾患である。
  • 長期管理の中心はステロイド吸入療法であり、気道の慢性炎症を抑制することが目標となる。
  • 重要用語: I型アレルギー, IgE, アトピー型と非アトピー型, 夜間発作, ステロイド吸入 を正確に理解しておくこと。
比較表
分類 アトピー型(外因型) 非アトピー型(内因型)
アレルギー機序 IgEを介するI型アレルギー IgE非依存性
発症年齢 小児~若年に多い 中年以降に多い
アレルゲン ダニ、ほこり、カビなど 特定されないことが多い
IgE値 高値 正常範囲内のことが多い
頻度 小児90%、成人60% 残りの割合
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題87|気管支喘息について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題87|気管支喘息について正しい記述はどれか。
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