学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0228

理由で解く 臨床医学各論

Q0228 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第21回(2013) 問題70
問題
肝硬変の所見はどれか。
選択肢
1 結節性紅斑
2 漏斗胸
3 女性化乳房
4 クモ状指
解答
正解3(女性化乳房)
解説
✗ 1. 誤り
結節性紅斑
結節性紅斑はベーチェット病やサルコイドーシスでみられる皮下硬結を伴う紅斑であり、肝硬変の所見ではない。下腿前面に好発し、有痛性であることが特徴的で、肝疾患との直接的な関連はない。
✗ 2. 誤り
漏斗胸
漏斗胸は胸骨が陥凹する先天性の胸郭変形であり、肝硬変とは関連しない。マルファン症候群に合併することがあるが、肝疾患の所見ではない。
✓ 3. 正しい
女性化乳房
肝硬変では肝機能低下によりエストロゲンの代謝・不活化が障害され、高エストロゲン血症をきたす。その結果、男性では女性化乳房がみられる。同様の機序でクモ状血管腫(前胸部・顔面に好発)、手掌紅斑(母指球・小指球の紅斑)も出現する。
✗ 4. 誤り
クモ状指
クモ状指(くも指、arachnodactyly)はマルファン症候群の特徴的身体所見であり、肝硬変の所見ではない。「クモ状」という名称が共通するが、クモ状血管腫(spider angioma)は肝硬変で、クモ状指はマルファン症候群であり、全く異なる所見である。
ポイント
  • 肝硬変の高エストロゲン血症による所見は、女性化乳房、クモ状血管腫、手掌紅斑の3つが代表的である。
  • クモ状指(マルファン症候群)とクモ状血管腫(肝硬変)は名称が紛らわしいが全く異なる所見であり、混同しない。
  • 肝硬変の他の身体所見として腹水、脾腫、食道静脈瘤、メデューサの頭(臍周囲の静脈怒張)、黄疸がある。
  • 門脈圧亢進症と肝機能低下の2つの病態から肝硬変の症候を理解することが重要である。
  • 重要用語: 女性化乳房、高エストロゲン血症、クモ状血管腫、手掌紅斑 を正確に理解しておくこと。
比較表
肝硬変の身体所見 機序
女性化乳房 高エストロゲン血症(エストロゲン代謝障害)
クモ状血管腫 高エストロゲン血症(細動脈拡張)
手掌紅斑 高エストロゲン血症(末梢血管拡張)
腹水 門脈圧亢進+低アルブミン血症
食道静脈瘤 門脈圧亢進(側副血行路形成)
メデューサの頭 門脈圧亢進(臍傍静脈の拡張)
黄疸 肝細胞障害によるビリルビン代謝障害
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題70|肝硬変の所見はどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題70|肝硬変の所見はどれか。
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