学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0224

理由で解く 臨床医学各論

Q0224 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第10回(2002) 問題88
問題
疾患と症状との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 肝硬変 ― 羽ばたき振戦
2 胆嚢ポリープ ― 筋性防御
3 慢性膵炎 ― 腹壁静脈怒張
4 慢性糸球体腎炎 ― グル音消失
解答
正解1(肝硬変 ― 羽ばたき振戦)
解説
✓ 1. 正しい
肝硬変 ― 羽ばたき振戦
肝硬変では肝性脳症に伴い羽ばたき振戦(asterixis、flapping tremor)がみられる。肝機能低下により腸管で産生されたアンモニアを肝臓で尿素に変換できず、高アンモニア血症となる。アンモニアなどの有毒物質が中枢神経系に作用し、意識障害や羽ばたき振戦を引き起こす。両手を前方に伸展させた際に手指が不規則に屈伸する特徴的な振戦である。
✗ 2. 誤り
胆嚢ポリープ ― 筋性防御
胆嚢ポリープは通常無症状であり、筋性防御を伴わない。筋性防御(腹壁筋の板状硬直)は急性腹膜炎の重要な身体所見であり、急性虫垂炎、消化管穿孔、急性胆嚢炎などの急性腹症で出現する。胆嚢ポリープは健診の腹部超音波検査で偶然発見されることが多い良性病変である。
✗ 3. 誤り
慢性膵炎 ― 腹壁静脈怒張
腹壁静脈怒張は慢性膵炎ではなく、肝硬変における門脈圧亢進症の特徴的所見である。門脈血流が肝臓を通過できず、側副血行路として腹壁の皮静脈(臍周囲静脈)が発達・拡張し、メドゥーサの頭(caput medusae)と呼ばれる特徴的な所見を呈する。慢性膵炎の症状は腹痛、脂肪便、糖尿病などである。
✗ 4. 誤り
慢性糸球体腎炎 ― グル音消失
グル音(腸蠕動音)消失は麻痺性イレウスや腹膜炎などの消化器疾患の所見であり、慢性糸球体腎炎の症状ではない。慢性糸球体腎炎の症状は蛋白尿、血尿、高血圧、腎機能障害、浮腫などである。尿毒症が進行すれば消化器症状(悪心・嘔吐・食欲不振)が出現することはある。
ポイント
  • 正しい組合せは肝硬変と羽ばたき振戦である。肝性脳症の特徴的所見として重要。
  • 各疾患の特徴的症状を整理する:肝硬変→羽ばたき振戦・腹水・黄疸、胆嚢ポリープ→通常無症状、慢性膵炎→腹痛・脂肪便、慢性糸球体腎炎→蛋白尿・血尿・高血圧。
  • 腹部所見を整理する:筋性防御→急性腹膜炎、腹壁静脈怒張→門脈圧亢進、グル音消失→イレウス・腹膜炎。
  • 重要用語: 肝硬変、羽ばたき振戦、肝性脳症、高アンモニア血症、門脈圧亢進 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題88|疾患と症状との組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題88|疾患と症状との組合せで正しいのはどれか。
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