学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0218

理由で解く 臨床医学各論

Q0218 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題69
問題
疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 過敏性腸症候群 ― 血便
2 急性胆嚢炎 ― 左季肋部痛
3 慢性膵炎 ― 便秘
4 肝硬変 ― 女性化乳房
解答
正解4(肝硬変 ――― 女性化乳房)
解説
✗ 1. 誤り
過敏性腸症候群 ― 血便
過敏性腸症候群(IBS)は器質的異常のない機能性消化管疾患であり、血便はみられない。 腹痛と便通異常(下痢型、便秘型、混合型)が主症状であり、血便がある場合は潰瘍性大腸炎や大腸癌などの器質的疾患を疑う。 ストレスや自律神経失調が発症に関与し、排便により症状が改善するのが特徴である。
✗ 2. 誤り
急性胆嚢炎 ― 左季肋部痛
急性胆嚢炎では右季肋部痛がみられる(左季肋部痛ではない)。 胆嚢は右季肋部に位置するため、炎症に伴う疼痛は右季肋部に出現し、右肩に放散することもある。 Murphy徴候(右季肋部を圧迫しながら深呼吸させると痛みで吸気が止まる)が診断に有用である。
✗ 3. 誤り
慢性膵炎 ― 便秘
慢性膵炎では便秘ではなく、脂肪便(脂肪性下痢)がみられる。 膵外分泌機能の低下により脂肪の消化吸収が障害され、脂肪を多く含む光沢のある便(脂肪便)が特徴的である。 慢性膵炎の三大症状は腹痛・体重減少・脂肪便であり、膵内分泌機能低下による糖尿病も合併しうる。
✓ 4. 正しい
肝硬変 ― 女性化乳房
肝硬変では肝臓でのエストロゲン不活化(代謝)が障害され、血中エストロゲン濃度が上昇する。 その結果、男性では女性化乳房が出現する。 肝硬変のその他の特徴的所見として、クモ状血管拡張、手掌紅斑、腹水、食道静脈瘤、黄疸がある。
ポイント
  • 肝硬変と女性化乳房の組合せは頻出である。肝臓でのエストロゲン代謝障害により女性化乳房、クモ状血管拡張、手掌紅斑が出現する。
  • 急性胆嚢炎は「右」季肋部痛であり、Murphy徴候陽性が診断の手がかりとなる。左右を間違えないこと。
  • 慢性膵炎は脂肪便・下痢(便秘ではない)、過敏性腸症候群には血便がないという点が誤りのポイントである。
  • 重要用語: 女性化乳房, エストロゲン代謝障害, Murphy徴候, 脂肪便 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 正しい症状 問題の記述(誤り)
過敏性腸症候群 腹痛・便通異常(血便なし) 血便
急性胆嚢炎 右季肋部痛 左季肋部痛
慢性膵炎 脂肪便(脂肪性下痢) 便秘
肝硬変 女性化乳房(正しい)
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題69|疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題69|疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。
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